2011年度 デジタル1眼レフカメラ講座(全6回)開催
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12月15日(木)デジタル一眼レフカメラ講座(4回目)の内容

 4回目の講座では、マクロ撮影について須賀講師より説明と、その後実際に室内でマクロ撮影を行った。

 通常、自分で使っているデジタル一眼レフカメラでマクロ撮影をする場合には、メーカ側で予め設定されたモードを使って撮影(マクロ撮影=お花のマーク)するケースが多いが、今回はAUTOまたはPモードの撮影でどこまで被写体に接近して撮影できるか、受講者自身が撮影体験を通じて体感して欲しいと講師から指導を受けた。



 《講師の補足説明》
カメラには様々な機能がありシーンモード設定するとその撮影に適した設定が行われる。しかし説明書を見てもシーンモードの時にはどのように設定が変更されて撮影が行われるかが書いていない事が多い。逆に言えばシーンモードを使用すると変更したくても出来ない設定が出てくるという事である。そこでシー
ンモードがどのような設定になっているか解らないので、通常使われている設定で撮影してみよう、ということでAUTO、P等のモードを使用して体験をしてもらう事とした。。


被写体を大きく写すには
 1 被写体に近づく
 2 レンズの倍率を上げる
 3 マクロ専用レンズを使う
が考えられます。

1の被写体に近づく場合、レンズの最短撮影距離によって制限されてしまいますからこれを変更するのに
 ・クロ−ズアップレンズを使う
 ・中間リング(接写リング)を使う
 ・広角レンズをリバースして使う
等が考えられます。
2のレンズ倍率を上げるにはテレコンバーターの使用がある。

 最近のズームレンズはズーム域が広い上に最短撮影距離も短いため近接撮影を意識せずとも被写体に近づけますがそれ以上に近づきたい場合は中間リングやリバ ースアダプター、マクロレンズと違い(中間リングやリバースアダプターは今や特殊な部類になったようであまり使われていないようです。)クローズアップレ ンズが安価で有効な手段と言えるでしょう。クローズアップレンズは老眼鏡と同じで被写体が近くに来たときにハッキリ見えるようにピント位置を変えてくれま す。(ここで大事なのは凸レンズだから大きく見えるのではなく近くに寄れるから大きく見えることです。老眼鏡も度の強さによってピントの合う距離は変わり ますが拡大率は変わりません。このことからクローズアップレンズの原理を理解する事は容易と思います。虫眼鏡のように大きく見るにはレンズの位置が問題と なります。)クローズアップレンズは比較的安価でカメラ店でもフィルター扱いで販売されています。また、凸レンズで在る事をふまえればカメラのレンズ前に 虫眼鏡を置く事でも代用できます。ただ、被写体に近づき大きく写す事は出来ますがレンズの性能の悪さ(収差)が現れてしまいますのでやはり専用のクローズ アップレンズを使うのが無難と言えるかもしれない。

2のテレコンバータは最短距離は変わらずともレンズ焦点距離を上げる事が出来るので簡単に大きく写す事が出来ます。


 マクロ撮影については、講師より通常の広角撮影で被写体に出来るだけ接近して撮影しても、せいぜい15cmほどまでしか近づけないが、凸レンズを自分のカメラレンズの前に置くことによって更に、被写体に接近して撮影が出来ることが出来た。この場合は講師よりクローッズアップレンズを借りて、それを自分のカメラのレンズの前に置いて撮影をする。凸レンズを使うことによって最短撮影距離を縮めらる。

マクロ撮影について説明する講師 クローズドアップ撮影の説明スライド マクロ撮影を行う受講者の方
愛機にテレコンバーターを付けて撮影 広角モードでどこまで接近撮影が出来るか マクロ撮影を行う受講者の方(2)

 マクロ領域の撮影には、交換レンズ機材としてクローズドアップレンズ、テレコンバーター、中間リングなどを使用する。



 レンズ機能について:
@クローズドアップレンズ:クローズアップレンズレンズとは、一眼レフカメラ用レンズに取りつけるフィルターの一種で、このフィルターを付けるとレンズの最短撮影距離を指定した距離に短くしてくれる。
*参考サイト:クローズアップレンズ

Aテレコンバーター:もう少し望遠に、あるいは、もう少し広角に。そんな時に活躍するのが、レンズに装着するだけで手軽に焦点距離を変えられるテレコンバーターとワイドコンバーターだ。テレコンバーターはレンズ倍率を高め、さらなる望遠効果を実現。またワイドコンバーターはレンズの画角を広げ、さらにワイドな撮影が行える。レンズ交換のできないコンパクトなデジタルカメラなどでも必要に応じて装着できて便利だ。
参考サイト:LUMIXデジタルカメラ講座 テレコンバーター、ワイドコンバーター

B中間リング:接写リングは中間リングとかエクステンションチューブ、エクステンションリングとも呼ばれ、カメラの本体とレンズの間に挿入する単なる中空のリングです。勿論、AFや絞りが連動して使えるように、配線もされています。レンズと撮像素子との距離を伸ばして画像をより拡大できるようにしたもので、余分な光学系が入らないので画質は良い。
  • マクロレンズではないレンズで、接写 (マクロ撮影) を行うためのもの
  • レンズとカメラ(映像素子)の距離をあけることで、最短撮影距離を短くする
  • ただの筒(レンズはない、AFができるように端子は付いてる)
  • クローズアップレンズ(虫眼鏡のようなレンズをフィルタとして付けて接写するもの)に比べ、レンズを通さないので画質劣化が少ない
  • 価格はクローズアップレンズよりは概して高いが、マクロレンズに比べれば安い

参考サイト:エクステンションチューブ(中間リング、接写リング)とは
参考サイト:一眼レフデジタルカメラによるマクロレンズ+接写リング使用記


 被写体に接近して撮影するとファインダー画 面が暗くなる事がある。これは撮影倍率が上がる程露出倍数が掛かり暗くなる。等倍で露出倍数は4倍とシャッターや絞り2段分の補正が必要に なるが、露出オートで撮影するならば撮影像は補正され適度な明るさに写る。その代わり絞りが開いたりシャッター速度が遅くなる。また被写体に近 づくので撮影者やカメラで影を作ってしまう事も考えられる。それ故手ぶれが問題になってくる。そのためには三脚の使用やフラッシュの併用、他にはISO感 度を上げる等の方法を挙げられるだろう。ただ、ISO感度を上げすぎれば画質荒れが気になるので細かいディテールを必要とするマクロ撮影時に相応しいと はあまり言えない。やはりお勧めは三脚の使用だ。でも常に三脚を持ち歩いているとは限らないのでフラッシュの併用も手持ち撮影に有意義な方法である。
 また、被写体に近づて撮影する場合、レンズ周辺部だけが暗くなるのはレンズの善し悪しにも関わっている。

 マクロ撮影で特に気をつけなければならない事は、カメラの手ぶれである。カメラの機能の中に手振れ防止機能(VB)がついているので、その機能をONに設定しておくと良い。更に確実なのはカメラ用の三脚を使うことである。


講師からもし、カメラの手ぶれ警告が出た場合には三脚を使用して欲しいと説明があった。

 カメラ付属のフラッシュの位置はペンタプリズムの真上で近接撮影の際にはレンズが障害物となり影を作ってしまう場合もある。だから皆さんには最短距離 撮影でフラッシュを使用して貰いフラッシュ光に死角が出来ないかを確認した。概ね良好ではありましたがレンズフードがあったりまたクローズアップレン ズを付けて最短撮影距離を短くした場合はその限りではなく影が出来てしまうはずだ。そこでフラッシュの死角を無くすためにレフ板(代用として白紙)を使 い近接撮影におけるフラッシュ光の死角を減らしたり、フラッシュ光の光質を和らげる撮影も行った。
 
 マクロ撮影用にテレコンバーターを使用すると、画面は暗くなるのでその際、ストロボの使用が効果的である。ただし、その際注意しなければならないことは、カメラ内臓のストロボを使用した場合、撮影中のカメラレンズとストロボを結んだ線上より下部の部分はレンズ筐体が影になって暗くなるので、この点は注意して欲しい


と説明があった。
 
 従って、その場合はストロボの上部に白紙などのストロボ光を反射する反射板を利用して、被写体に光が当たるようにすると良いとアドバイスがあった。また外付け用のストロボを使用して撮影する事も可能である。これによってストロボの死角を少なくする事が出来る。



 次に講師より、広角側と望遠側にレンズ調整をして被写体にどこまで接近して撮影できるかを試してもらいたいと指導がなされた。カマラが最も近づける距離と被写体から離れた時や近づいた時のシャッタースピードや絞りの違いを確認する。ただし、最短距離はレンズの焦点距離によって変わることも調べて貰ったが、受講者がどこまで理解されたか分からない部分もあった。

 今回は、マクロ撮影をするために室内で、用意された人形やお花(造花)を被写体としてマクロ撮影を行った。この撮影では@フラッシュ無しの場合 Aフラッシュ有りの場合 B反射板に白紙を使った場合 の3つの撮影条件で各自撮影を行った。撮影時に講師からお借りしたマクロレンズを使って撮影をする際、被写体とのピント合わせには自分自身が動いてピントあわせをしなければならない事で、通常カメラのシャッターを半押し操作に慣れている受講者にとっては、かなり違和感のある撮影だ。テレコンバーターでは拡大率を設定できる、今回は1/2から等倍に設定して撮影を行った。

 マクロレンズとて普通のレンズと同じようヘリコイドでピント合わせは普通に行えるが、予め1:2のように倍率を決めてレンズをセットした場合は、ヘリコイド は動かさずに撮影距離を変えてピント合わせを行う。撮影位置を決めてからピント合わせをすると倍率が変わってしまうので注意が必要だ。

1/6秒-F5.6 AUTO 露光補正+0.7減感 24mm AUTO(ISO400)1/6秒 F/4 0段 24mm AUTO(ISO500)1/60秒 F/5.6 0段
マクロレンズ使用 フラッシュ無し フラッシュ使用 1/60秒 F/2.8 白紙反射光利用 1/15秒 F/2.8

 その撮影結果を後ほど、講師の指導により今回の受講者が撮影した写真データーをプロジェクターで拡大した画像を皆で見ながら講師から、各自の写真データーについて撮影のポイントなどを指摘してもらった。筆者の場合はマクロ撮影で被写体にピントを合わせたつもりが、被写体のごく一部(眼とか口など)にしかピントが合っていない事が判明した。講師の説明によればマクロ撮影では被写体のディテイルまでしっかりとピントが合うように撮影する事が必要であり、カメラを抱えたままでは手振れが生じてピントを上手く合わせられないので、三脚などを使うことを薦められた。

 この講座には、今回から途中で3名の方が新しく参加された。参加理由はデジタルカメラをもっているが、もっと綺麗な写真を撮りたいと思って、このデジタルカメラ講座に参加したとのことである。最近は女性の方でもデジタルカメラで撮影されるケースが増えたが、自己流の撮影には満足せず、この様にプロカメラマンが指導するデジタルカメラ講座などに参加される機会が増えてきた。

 次回は1月19日(木)を予定している。この講座もあと2回(2月まで)で終了予定をしており、3月には近くで受講者による撮影会を開催して、その後は公民館などで作品を発表する写真展示会を開きたいと計画している。