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千葉県初の総理が誕生


         
  2011年3月11日に発生した東日本大震災により被災された地域の皆さま、 ご家族、関係者の皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。被災地の一 刻も早い復興をお祈りしております。


            
       
民主党代表選をテレビで視聴

 菅内閣が9月26日に総辞職し翌27日、民主党代表選に立候補した5人の候補者は日本記者クラブ主催の共同記者会見に臨んだ。立候補したのは前原前外相、馬淵前国土交通相、海江田経済産業相、野田財務相、鹿野農林水産相など現役の閣僚や前閣僚である。野田氏や馬淵氏が早々に立候補を決めていたのに対し、前原氏は野田氏に協力を求められてから、これを断り逡巡した挙げ句に自らも立候補を決めた。
 しかし、代表選直前になって外国人からの更なる献金を明らかにしたのは、失態もいいところだ。こんなことは早々に明らかにしておけばよいのに、慌てて発表したことにより、敗北は見えていたような気がする。

 鹿野氏は、中間派の小グループを率いるかつての自民党議員。まさか過半数を獲得するとは思っていなかったと想像する。それでも立候補をするのは何故か。やはり自己顕示欲なのか。自らの存在価値を高める目的が強かったように見受けられる。それが政治家の生き様なのかも知れない。

 また海江田氏は鳩山グループに属するが、それだけでは心細い。と言うことで、党内隋一の小沢グループに擦り寄り頭を下げ、やっと立候補に踏み切ることが出来た。小沢氏は自らの陣営から立候補者を探した。初めに打診したのが賞味期限の切れた輿石東参院議員会長や西岡武夫参院議長だったが、先方に断られ、第三の男として海江田氏が浮上した。これらの経緯をみると、総理の器かどうかなどは論外で、自分の言うことを聞く人間なら誰でもよい。こんな選出方法が堂々とまかりとおっいるように見える。

 27日の共同記者会見から29日の両院議員総会まで各候補の演説をテレビ観戦したが、原稿なしでスピーチしていたのは馬淵氏と野田氏の二人だけであった。流石に原稿なしの演説は迫力がある。
 野田氏は「皆で坂道の雪だるまを押し上げよう」「自分は金魚ではない。泥臭いどじょうだ」と、謙遜の姿勢を述べながら、自己の政策や政権構想を述べた。演説は抜群の上手さで、他の候補者を圧倒したように感じた。いくら立派な言葉を並べても、人柄が信用できなければ人は付いてこない。その良い見本が鳩山元総理だ。結局は言葉だけで実行力する気力もなく、自滅の道を歩んだ。有言不実行の最たる見本である。


 海江田氏に至っては言うべき言葉もない。「情けない人だ」に尽きる。総理になるならば、自らの政治理念や信条を捨てても良いのだろうか。あまりにも惨めな人柄を見せ付けられ、ガックリきた。海江田氏は小沢氏の支援承諾をとりつけたあと、投開票に先立つ29日朝、議員会館の自らの事務所で、中塚一宏衆院議員ら小沢氏側近4人を前に、スピーチの練習をさせられたと言われる。この時点で、海江田氏が用意した公約もほごにさせられ、完璧に小沢氏の操り人形になっていた。

 菅内閣の閣僚当時からの発言は、いとも簡単に反転した。自らの政治信念と異なることを喋るのだから、演説も上手くいく筈がない。自分の信ずるところを簡単に投げ捨ててしまう。国会審議では、自民党議員の追及に泣き出してしまった。総理になったとしても、菅政権当時の政治姿勢との矛盾を付かれたら、一辺に挫折するだろう。こんどは、泣くだけでは済まない。直ちに内閣総辞職に繋がるのは間違いないところだ。こんな人に国政を委ねることは出来ぬ、と民主党国会議員も考えたに違いない。「小沢傀儡」以前の問題である。このような姿勢では、勝てぬのは自明の理である。

 野田佳彦新代表の勝因の一つは、29日の代表選の投票前の演説だった。演説を聴いて野田氏への投票を決めた議員も少なくない。演説の核の一つとなった、自らを「どじょう」に例えたくだりは、書家・詩人の相田みつを氏の作品を下敷きにした。作品は、民主党の輿石東参院議員会長の紹介で知ったという。輿石氏は元教諭だ。さもありなん、と思われる。
 原典は、相田氏の単行本「おかげさん」に収録されている「どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよなあ」という作品だ。

 野田氏はこの作品を「大好きな言葉」として引用し、「どじょうには、どじょうの持ち味がある。金魚のまねをしてもできない」と述べた。泥臭く、国民のために汗をかいて働いて、政治を前進させる。どじょうの政治をとことんやり抜きたいと語り、「飾らない人柄」を印象づけた。これが第一回目投票で海江田氏につけられた40票余の差を逆転、決戦投票では得票を倍増させ勝利した大きな要因だろう。浮動票? の議員たちの良識ある選択には救われる思いだ。
            

 30日の首相指名選挙では衆参両院本会議において、民主党の野田佳彦代表が過半数を占め、第95代の総理大臣となる。千葉県初の総理大臣が誕生した。衆院での首相指名選挙では、各党の党首のほかに小沢一郎、海江田万里、鳩山邦夫、横粂勝仁の4氏に各1票の投票があった。これは何だ。それぞれが自分の名を書いたのかな、と一瞬思った。ふざけた奴がいるもんだと思ったが、それは間違いだった。

 後日調べると、小沢一郎氏には元秘書の石川知祐議員、海江田氏には菅内閣不信任決議案に賛成して民主党を除名となった松木謙公前農林水産政務官がそれぞれ票を投じた。このほか、民主党を離党した中島正純議員が鳩山邦夫元総務相に投票。松木氏とともに同党を除籍された横粂勝仁議員が自身の名前を書いた、と判明した。白票でも投ずればよいものを、見識の無い不埒な議員がいるものである。


       
           海外メディアの反応

☆中国
 誰が小沢一郎の寵愛(ちょうあい)を得るのか

 代表選前では海外の報道は少ない。その中で、中国新聞 web版は対中強硬派の前原氏や野田氏を嫌い、小沢氏の傀儡政権と見られる海江田氏の勝利を熱望しているようであった。 中国にとって「意中の人」とも言えるのが、対中友好派にして中国通の海江田経産相である。 万里という名も、中国駐在記者だった父親が「万里の長城」からつけたという。流暢な中国語を操り、また漢詩の本を出版したほど中国文化についても精通している。と報じた。

 また人民日報web版は26日付で、「誰が日本の次期首相に?」との記事を掲載。「2006年以来、年一度の恒例となっている日本の首相交代劇が間もなく開幕する」と紹介した。日本の世論調査の結果では前原前外相が優位となっているが、今回の党代表選に投票できるのは国民ではなく、民主党員でもない。総勢398人の民主党に所属する国会議員のみであるため、新党首は彼ら396人の中から過半数の票を獲得しなければならないと説明している。

 その他メディアの主な見出しは以下の通り。
「小沢、帰る?」(解放牛網)、「最終的に誰が小沢一郎の寵愛(ちょうあい)を得るのか?」(人民日報)、「新首相就任で対中関係悪化に不安抱く日本」(21CN)、「前原が後任なら日中対峙(たいじ)はヒートアップ」(財訊)、「民主代表選、日本に曙光見難く」(中文導報)...などなど。
             
☆欧米諸国 loach 「ドジョウ宰相」の評判

欧米メディアの注目点の一つは、泥臭く進んでいく「ドジョウ(loach)の政治」を訴えた民主党代表選における野田氏の演説であった。主要メディアweb版には、次のような言葉が並んだ。

★米紙ウォール・ストリート・ジャーナル:
 The Loach Approach: Noda Makes Bid for Top Job ⇒ 「ドジョウ流のアプローチ、野田氏、首相就任へ」

★英紙ガーディアン:
 Japan: sifting through the muck ⇒ 「日本、泥の中に分け入っていく」

★フランスの無料日刊紙 20 Minutes (「20分」の意味)はもっとストレートな見出しをつけた。
 Un Loche Devient Premier Ministre ⇒ 「ドジョウが首相になった」
 (英語に訳すと、A Loach Becomes Prime Minister となる)


 ドジョウは欧米の読者にとって、なじみのある魚ではないようで、記事の中でも様々な説明がついている。
 an eel-like fish often found in Japanese rice paddies 「日本の水田でよく見かけるウナギのような魚」
 an unattractive, whiskered fish known for its scavenging techniques「魅力的とは言えない、ヒゲを持つ 魚。何でもあさって食べる技術で知られる」

 自らの魅力や長所は、誇張してでもアピールするのが当たり前の欧米社会。まして政治家は弱みをめったに見せようとしません。そんな彼らの目から見ると、日本の指導者の座を争う場で、自身をドジョウにたとえ、「金魚(goldfish)のまねはできない」「ルックスはこの通り」「私が総理になっても支持率はすぐ上がらない」と謙遜してみせた演説は新鮮に映ったようだ。

 ウォール・ストリート・ジャーナルは次のように伝えている。
「modesty(謙遜、慎み深さ)を重んじる国においてさえ異例と言える戦略で、野田氏は党代表選を戦った」
 こうした modesty は時として行き過ぎた自己卑下や卑屈な態度とみなされ、逆効果になる。しかし、今回の演説はおおむね好意的に受け止められたようである。

 英誌エコノミストは次のように評した。
 He has a healty sense of crisis, and a nicely self-deprecating sense of humor
 「彼には健全な危機感覚と、上手にへりくだってみせるユーモア感覚がある」


 欧米のメディアのこうした反応には二つの理由があるように思います。
 一つは、日本が直面している数々の難題を見れば、大口をたたけるような状況にはない、謙虚にならざるをえない、という認識でしょう。
 もう一つは、財政危機など日本と共通の課題を抱えながら、格好をつけ、口ばかり達者で、有効な対策を打ち出せずにいる自国の指導者へのいらだちだと思います。
 ウォール・ストリート・ジャーナルは、「中庸」の政治を説き、自らを「凡人」と称する野田氏の語録を紹介しながら、皮肉を込めて、次にように書いています。

 Try to imagine these words coming from any leading American politicians over next year.

(大統領選のある)来年にかけ、アメリカの政治指導者たちからこうした(謙虚な)言葉を聞くことなど想像できるだろうか。

「どじょう宰相」の評判は YOMIURI ONLINE より引用

筆者プロフィル : 大塚 隆一
1954年生まれ。長野県出身。1981年に読売新聞社に入社し、浦和支局、科学部、ジュネーブ支局、ニューヨーク支局長、アメリカ総局長、国際部長などを経て2009年から編集委員。国際関係や科学技術、IT、環境、核問題などを担当 。

             

  

   <右は日本の抱える難題が中国語で書かれている。 顔の上にXIHUAと被せる意図が分からない>
     
         左から ワシントンポスト紙  中央二つは 新華社 右は Record Chinaより引用 

                          



 9月2日、菅内閣を引き継いだ野田内閣が多くの課題を抱えつつ船出した。党内の各グループから閣僚を起用し、党内融和を配慮した布陣を敷いた。野田佳彦首相は組閣後の同日、首相官邸で記者会見を開き、まずは東日本大震災の復興と東京電力福島第一原発の収束を「最優先課題」と位置づけた。ただ、復興財源をどうするかについては、不透明である。おそらく所得税や消費税も避けて通れぬところだろう。多くの課題を一つひとつ、確実の実行していくことが望まれる。

 党内の各グループから人材を集めたがゆえの、閣内不一致などの事態は避けてほしいところだ。もしも、そんなことがあれば、内閣は一挙に崩壊する。「2度あることは3度ある」なのか、「3度目の正直になる」かは、党と内閣ががっちりとスクラムを組めるかどうかにかかる。首相を始め、それを支える藤村官房長官や党の要・輿石幹事長はいずれも地味なタイプである。しかし政治は結果責任である。それこそ、全員野球で、この国難を克服してもらいたいものである。

 小沢氏の側近中の側近・山岡賢次国家公安委員長は3日のテレビ東京の番組で、来年の民主党代表選に小沢一郎元代表が出馬する可能性に言及した。「1年先のことを予測できる人はいないが、必要とされれば、そういうこともあるかもしれない」と述べた。
 こんな言葉が早々と出てくるようでは、野田内閣が一枚岩となるのはかなり難しい。とても、心配である。
                                           (C・W)


   
             

 
虎ノ門の1000円ヘアカット店から出てきた野田首相 
                          藤村官房長官     輿石幹事長
                 
      
                     毎日jp    ユーチューブ  輿石氏のHPより引用

   

    
     
                        
   
3日にオープンした藤子・F・不二雄記念館のドラエモン 高松のどじょうウドン

  船橋の野田事務所近くのお菓子屋さん⇒どじょう かりんとう 北海道安来町が野田首相に雪だるまを贈呈

                    
毎日jp および YOMIURI ON LINEより引用