新たな出会い・研鑚・社会貢献の場を求めて

                  爽秋の候 徒然なるままに

 早くも9月の終わりを迎えた。日中の日差しは結構厳しいものがあるが、朝夕の気配は秋そのものの佇まいである。いつの間にやら、暑さの象徴でもあった蝉の合唱も途絶え、夕刻ともなると虫の音がやたらに姦しい。
 この夏、わが家の狭いベランダに彩を添えたゴーヤも遂にその姿を消した。日々、刻々と変化を見せるゴーヤの成長を見るのは面白いものだった。来年は今年の3倍近い苗を植えて、環境に優しいエコライフを過ごすこととした。何しろ、真夏の気温を充分に2度から3度は下げてくれる。目にも優しいゴーヤの緑のカーテンは嬉しい存在である。

 残暑の頃は大相撲秋場所の真っ盛りであった。相も変わらずモンゴル勢が優勝争いをする大相撲には飽き飽きして、毎日のテレビ実況は見ない習慣になっている。翌日の新聞で、勝敗の結果などの確認をしているだけである。しかし、ここ数場所千秋楽だけはよく見ている。上り坂の白鵬と、やや全盛期は過ぎたと思われる朝青龍との横綱決戦が面白いからだ。
 
 今場所も14連勝の朝青龍と13勝1敗の白鵬の決戦となった。本割りでは白鵬が朝青龍を完璧に圧倒した。ところが決定戦では朝青龍がここ一番の集中力を見せて、見事に白鵬を横転させた。なんだかんだと批判される朝青龍だが、相撲にかける情熱は素晴らしい。一時代を築いた横綱は、みな憎たらしいほど強かった。朝青龍もしかりである。
 しかし最近はその表情から、ふてぶてしさや憎たらしさが消え、円満な顔つきに変わってきたように思える。
 本人も実力ではもう白鵬に及ばぬと悟っている感がある。そのために大口もたたかず、黙々と相撲を取っているようだ。そんなことが、決定戦を制したときの、あの「喜びのガッッポーズ」に表れてしまうものと思う。

     

 鳩山総理初登場 インタビューでのガッツポーズ 勝った瞬間も.次の大関bPも外国人か.
                                 小さな画像は拡大します        asahi com より


 横綱審議会の一部(女性作家)には、「武士道の精神に相応しくない」と痛烈に批判するとか、「相撲は神事だ。単なるスポーッとは違う」(歌舞伎役者)などと言う向きもあるが、鶴田委員長は別に違和感はない、と述べている。勝って喜びを現さぬスポーツなど聞いたこともない。今頃、相撲が神事などと考える人はゼロに近いと思う。各国の力士が活躍する大相撲である。いつまでも、古い謂れに拘る必要はあるまいと考える。

 今、相撲協会幹部の成すべきことは、モンゴル勢を始めとする外国出身者に勝てる「日本人横綱の養成」だと思う。毎場所のように負け越して、カド番の新記録を作る大関陣。負け越しても次場所は8勝7敗で大関に残れる。こんな生ぬるい制度が、弱い大関を作る元凶に違いない。相撲協会も考え方をチェンジしないと、このさき大相撲の生き残りは難しい。現在の大関陣には、横綱の資質を有する力士はいない。いまこそ、若い力士の奮起を望む。そして、その素材を、徹底的に叩き上げることに尽きる。
 そんなとき、千秋楽前日の新聞をみていたら、面白い記事を見つけた。しこ名が「右肩上り」という力士の存在である。まあ、びっくり仰天だ。



 
 しこ名「右肩上り」 ゲンが悪い = また改名へ

  三段目に珍名力士がいる。しこ名が「右肩上り(みぎかたあがり)」のこの力士は、この秋場所で改名後2場所連続の負け越しが決まった。巻き返しをはかり、さらに改名することになった。(21歳、=大嶽部屋=)。
 幕下復帰を目指す先場所、げん担ぎで改名したが効果なし。この日もあっさりと押し出され、しょんぼりしながら「右肩上りの『り』をとるんです」と明かした。

 読みはそのまま「みぎかたあがり」。名付け親でもある師匠の大嶽親方(元関脇貴闘力)は、「字数が悪いらしい。次の場所から変える」とか。
 本名の「吉野博保」から「右肩上り博保」へ。そして次ぎは「右肩上博保」となる。右肩上が、そのしこ名どおりに番付も上げ、不景気を吹き飛ばし、景気上昇に役立てば万々歳!言うこと無しではある。

 朝青龍、琴欧州....など力士の大半は「しこ名」を名乗る。古くは「醜名」と記され、強者という意味を含んでいたが、後に四股を踏む人という意味で「四股名」と書かれるようになり、現在に至っている。
 明治から昭和の初めには、珍名なしこ名が多くあったようだ。「鞍馬山鬼市」「武蔵坊弁慶」「牛若丸飛之助」「三毛猫泣太郎」「玉猫三毛蔵」「豊年万作」「文明開化」など枚挙にいとまがない。 
 現代の珍名力士「右肩上」には、名前に恥じない出世を期待している。

  
六男の六男さん

 同じ日の新聞下段に、一つの訃報が掲載されていた。その名は日高実さん。 大相撲・松ケ根親方(元大関若島津、本名日高六男)の父である。葬儀は船橋市の昭和セレモニーで行う。
 
喪主は六男の六男さんとあった。そろそろ頭も鈍くなったおっちゃんは、これを見て一瞬、頭がおかしくなった。(ろくなんのむつおさん、とは思い及ばなかった次第也)
 若島津は鹿児島県種子島の出身。同じ鹿児島出身の歌手・高田みづえと結婚し、部屋を船橋市の行田団地の近くに構えている。7、8年前に稽古の状況を見に行ったら、おかみさんになった高田みづえさんにも会った。小柄な女性だから、現役時代と変わらぬ可愛い印象をうけたものである。

 その当時松ケ根部屋からは、幕内と十両に一人ずつが在籍していた。栃東なども早朝の出稽古に来ていたものだが、いまや関取は一人もいない。若島津のしこ名は、若島津六夫で通してきたようである。若島津は六番目の男の子であり、六男と名づけられたことは分かった。ふりがな無しの「六男の六男さん」は、極めてややこしい。
 調べた結果、新聞社への連絡は止めた。しかし、最近のマスコミの報道記事にも誤りが多い。全てを信じると大きな失敗もある。
 2、3日前の夕刊紙面では、元横綱大鵬(=本名納谷幸喜=69歳)の生年を1935年としていた経緯もある。(この間違いは翌日に訂正の記事があった)。



  
プロ野球 CS(クライマックス・シリーズ)制度の矛盾

 プロ野球も、いよいよ大詰めを向かえている。セ・リーグトップをいく巨人は80勝を超え、25日の中日戦に勝ち、早々と優勝を決定した。2位の中日も、巨人と共にCS(クライマックス・シリーズ)への出場を決めた。3位以下は前記2チームに大きく引き離され、ヤクルトと阪神、広島の3チームが僅差で3位への進出を狙っている。問題は、この3チームがリーグ戦で勝ち越すチャンスがほぼ絶望的なところにある。
 一方パ・リーグは日本ハムの1位が濃厚で、それにソフトバンクと楽天が続く。お荷物と言われた楽天が3位に入るかどうかが一番の焦点だ。昨年日本一に輝いた西武が、CSに残れるかどうかは、極めて怪しい情勢となっている(9月30日現在)。

 CS制度では両リーグともに、2位と3位のチームが戦い、勝ったチームが1位チームと日本シリーズへの出場権をかけて戦う。リーグ戦で、早々と優勝チームが決定した場合には、目標を失った各チームは消化試合を続けることになる。当然お客もまばらな球場で、残りのゲームをこなすだけだ。そんなことでCS制度を取り入れ、選手もファンも後半戦を楽しめるように仕組んだものである。

 だが、この制度は大きな矛盾をはらんでいる。まず、リーグ1位を決めても日本シリーズへの出場権はない。CSで勝って始めて、日本シリーズへ出場できる。3位までのチームが最後まで接戦で、勝ち残った場合は、問題はそれほどない。
 しかし、今シーズンのセ・リーグのように巨人がダントツでリーグを制覇しても、CSで負けてしまうと、リーグ制覇は何の意味もなさないことになる。2007年に始まったCSでは、両リーグ共にリーグ1位チームが日本シリーズに出場した。これまでは、真に幸いであったと申し上げたい。
 
 ところが今年の巨人ように早々にリーグ優勝を決めても、監督や選手は真の喜びを得たとは言えない気がする。セ・リーグ2位の中日は、巨人の優勝が決まっても残念そうな様子はまるでない。CSで勝てば日本一の可能性が充分にあるからだ。1、2位の決戦は6試合だ。1試合はアドバンテージとして、1位チームに与えられている。1位チームは三つ勝てばCSに勝利する。

 3位チームは現段階では決定していないが、リーグ戦では結局、負け越す可能性がかなり強い。それでもCSで勝ち抜く可能性はある。短期決戦である。どう転ぶかは分からない。CSに望みを繋ぐチームがある一方で、もしも今年の巨人がCSで負けるなら、監督にも選手諸君にも大きな無常感が漂うことになる。そうはならないことを、切に望みたい。


 


 
鳩山内閣 発足す

 9月16日召集された特別国会において、第93代首相に選ばれた民主党の鳩山由起夫代表は同日
夜、民主、社民、国民新党の3党による鳩山連立内閣を正式に発足させた。総選挙で野党が単独過半数を得て、政権交代をするのは戦後初めてである。
 鳩山首相は就任会見で新政権のキャッチフレーズとして「脱官僚依存」を掲げ、子ども手当ての創
設やガソリン税などの暫定税率の廃止など、総選挙のマニフェスト(政権公約)を実現する考えを強調した。

 近所のおばちゃんたちに聞いても、今回の選挙は「ここ数年の自民党の失態には呆れた」とか「一度、民主党に政権を取らせてみるか」という話が多かった。
 このような庶民の日常の気持ちが、新聞やテレビなどのマスメディアとの相乗効果を生み、自民党への支持は急速に衰えたものと言える。308という議席は、当の民主党でさえ思ってもいなかったに違いない。相次ぐ自民党内閣と総理の醜態、閣僚の不祥事、党内抗争などが、歴史的な敗北を招いた。長い間の政権与党の不始末が自民党の自爆を呼び込んだ。言い換えれば、敵失により転がりこんだ政権という面もある。

 民主党は、「所信忘れるべからず」である。これからは攻守ところを変えた論戦も始まる。マニフェストには、良いことばかりが書かれている。中学卒業まで、すべての子どもに対して1人あたり年額31.2万円を支給する。 高校無償化、高速料金無料化、暫定税率の廃止、高齢者医療制度の廃止、消費税の4年間凍結など庶民には心地よく響く言葉ばかりだ。だが、そのための財源捻出はこれからた。

 新政権に対する国民の視線は冷静である。期待はたやすく幻滅に変わる。変化への願望に答えが出なければ、必ずしっぺ返しがくる。各閣僚、党員一団となって、国民への約束を進めていかねばならない。
 政権与党ともなると、国民やメディアの見る目も厳しい。まずは、小沢氏の西松建設による巨額献金問題に関する説明責任が必要であり、また鳩山氏の故人献金に関する説明もしっかりやってもらわねばならない。何よりもご自身の潔白振りを示してほしいものである。


 
 そんな矢先、
千葉景子法相は29日、産経新聞のインタビューに答え、原敕晁(ただあき)さんらを拉致した実行犯である辛光洙・元死刑囚の釈放嘆願書に署名していた問題について、「うかつだった。 誤解を招くような結果になったのは大変申し訳ないという気持ちはある」と述べ、反省を表明した。
 また30日、毎日新聞のネットニュース「毎日JP」は下記のように報じた。

  
民主5議員団体:クラブ、キャバクラ…政治活動費で飲食

 
政権交代を受け、毎日新聞が要職に就いた民主党議員の政治資金を調べたところ、江田五月参院議長(岡山選挙区)=会派離脱中=や川端達夫文部科学相(衆院滋賀1区)ら5議員の政治団体が、女性従業員らに接客される「キャバクラ」などへの支払いを「政治活動費」として計上していたことが分かった。支出は03〜07年に計500万円超。
 支出した政治団体には党本部からの寄付を主な収入源とする団体もあり、原資には国庫から支出さ
れる政党交付金が含まれ、使途の妥当性を巡って議論を呼びそうだ。

 毎日新聞は民主党の閣僚や主要幹部について、昨年公開された07年分政治資金収支報告書からさかのぼり、過去5年分の報告書を調査。支出先の会社名などを基に調べたところ「クラブ」「キャバクラ」「ラウンジ」「ニューハーフショーパブ」など風営法2条2号で定められた店への支払いを、5議員の計7団体で確認した。
           


 28日の朝日新聞夕刊一面、「素粒子」が久しぶりに納得の出来るコメントを書いている。与党も野党も、我々みなが大いに参考にすべしである。

 自民党を、「自」のついた四文字熟語で表してみると-----。
自作自演の政官業癒着に足をすくわれ自縄自縛。制度疲労の自覚症状はなかったのか。下野したのは自業自得で自己責任。
 戦後の成功を導いて、自画自賛はわかるけど、自己否定なしに前進なし。総裁選も自己満足に終われば自力更生は遠い。−−−半世紀以上、この党を選んできた日本国民。自民党とは、自分自身だったのかもしれない。

  
 つまらんな鳩山 漢字ちゃんと読み  だみ声が消えて爽やか秋の空 

                                
(C.W)