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 新年も明けて、はや1か月が過ぎた。例年選出されるその年を表す漢字が12月12日、漢字の日に京都・清水寺で住職により揮毫される。一昨年の世相を端的に示す「漢字一文字」は、「偽」であった。食肉から野菜、菓子、ファーストフードまで、産地や素材、賞味期限に多くの「偽」がはっせいした。加えて年金記録、名門の老舗料亭にも信じられない偽装が発覚した。数え上げればきりの無い偽装が摘発された世の中であった。

 2008年は、日本漢字能力検定協会が発表した漢字一文字「変」に示されるように、まことに喜怒哀楽に富んだ1年であった。いや、明るいニュースといえば「日本人4氏のノーベル賞」と「北京五輪での北島選手連続2冠」で、その他は哀しい事件のみの勃発したおかしな世の中であった。天変地異も中国やわが国でも起き、多くの犠牲者をだした。哀ばかりの「変」な年だったと言える。

 下記の「2008年10大ニュース」は、左側がインターネット接続会社ニフティのウエブ上に投票されたものであり、右側は読売新聞による読者投票の結果である。両者を比較してみると、第10位以外の項目ではすべて一致している。
 近頃は内閣支持率などの調査でも、放送や新聞各社の調査でほぼ変わらない結果が出ている。世相の診断でも、国民の目線は、かなり正確であることが示された事例かも知れない。

               

       
2008年読者が選ぶ10大ニュース 日本編

 【1位】福田首相が辞任、麻生内閣発足         中国製ギョーザで中毒
   
 【2位】秋葉原で通り魔、7人死亡           福田首相退陣、後継に麻生氏 

 【3位】日本人4人にノーベル賞            ノーベル賞 日本人4氏受賞

 【4位】東証、バブル後最安値の7162円90銭    北京五輪で日本「金」9個

 【5位】中国製ギョーザで中毒、殺虫剤メタミドホス検出 秋葉原で無差別7人殺害

 【6位】北島が連続2冠、女子ソフトは悲願の金     後期高齢者医療スタート

 【7位】後期高齢者医療制度(長寿医療制度)スタート  元厚生次官宅襲撃 3人殺傷

 【8位】元厚生次官宅連続襲撃事件で3人死傷      株、バブル後最安値

 【9位】岩手・宮城内陸地震で死者・不明者23人    岩手・宮城で震度6強

 【10位】戦後最長の拡大に終止符、月例経済報告   
  洞爺湖サミット開催


 

 「2008年読者が選ぶ10大ニュース」の海外編は、下記のとおりとなった。

    1)初の黒人米大統領にオバマ氏 2)四川大地震 死者6万人超
    3)リーマン破綻 金融危機波及 4)北京で五輪開催
    5)NY原油 最高値147ドル   6)ミャンマーでサイクロン被害
    7)ムンバイで同時テロ     8)チベットで大規模暴動
    9)聖火リレー各地で混乱   10)鳥インフル死者急増



 
 昨年から今年にかけて、とりわけ目立つのは麻生内閣の失政ぶりである。年初にあたり、まずこの問題に触れないわけにはいかない。

  
  お呼びのかからぬ麻生総理

 オバマ大統領の就任式が行われた1月21日、麻生首相はこんなコメントを出した。
「経済危機に対する両国の認識が一致している。国民の潜在力を引き出す手法も、基本的に同じだ。こういう感じであれば、世界1位、2位の経済大国が一緒に手を組んでやっていけるなと改めて確信した」。しかし、そう胸をはったのは、わが麻生総理のみであった。世界の論調はまるで日本を相手にしていないのだ。

 「ABCテレビはオバマ大統領就任を受けて、世界各地からの声を拾っていた。モスクワ、ロンドン、パリなど..。ところが、いつまでたっても東京からのニュースが出ない。BBCも一緒である。欧米では麻生政権の日本はかくも相手にされていないのであった。一人よがりは真にみつともない話でもある。

 最近のわが国の総理の中でも、ずば抜けて滑稽なのは麻生総理を除いて他におるまい。こんなふうに、おっちゃんは思っている。安倍、福田と続いた三代目のぼっちゃん総理だ。
 まさか前2者の轍は踏むまいと思ったが、やはりそうはいかなかった。三匹目のドジョウがいたのである。前2者はまだ多少の品格があるかと思ったが、このたびの総理は品格などとは、まるでご縁が無さそうである。

 いわば麻生総理は、自民党の自滅自壊作用によって偶発的に総理になったに過ぎない。そんな経緯があるから、一国の総理としての心構えなどが出来ていない。国会演説などは当然、官僚の作文の棒読み一辺倒だ。
 これは一歩譲るとして、頼むから書かれた漢字を間違えずに読んでほしいものだ。最初だけは許せるが、たびかさなればご愛嬌では済まされまい。同じ日本人として、恥ずかしくて聞いておれない。
 厳しく言えば、これだけでも落第生である。早々に総理の席から降りてもらいたい。分からないのは、いくら新聞などのメディアで指摘されても、まったく意に解さないことだ。
 再度学習院の中等部にでも編入して、しっかり漢字能力をつけ直したら如何なものか。同じ事を繰り返されると、読み違いではなく、本当のところは「読み方を知らない」ものと考えてしまう。たぶん、知らないのだろうと確信する。

 元々リーダーシップの欠如しているところに、自らの政策を正確に理解していないようである。発言がコロコロと異なる。渋々受け入れた友党提案の定額減税は、定額給付金と名前を変えて一人歩きをしている。選挙目当てで導入を決めた給付金は、国民の80パーセントが反対している。
 あるとき、テレビで冬の夕張を放映していた。一人住いのお婆さんは、雪をかき分けかき分けて、隣りのお婆さんの家に風呂を借りに行く。90歳に近いお婆さん二人が、少ない年金で助け合っている。そんな方たちさえも、定額給付金は意味が無いと言われる。

 100年に一度と言われる経済危機の中、税金の無駄遣いといわれる「定額給付金」が実行されようとしている。10年前の「地域振興券」で懲りたはずの愚策を進める愚かさ。選挙目当ての「福祉政策」? なるものは、その愚策を見抜いた国民によって、来るべき選挙では確実に敗北への道を歩むことだろう。

 麻生総理に驚かされる事柄がある。一つは毎晩のように行われるホテルやバーでの飲み会であり、もう一つは毎朝のウォーキングだ。庶民の感情を無視した高級ホテルなどでの飲み会はいただけぬが、朝のウオーキングの継続は感心する。これだけは見習ってもよい。だが、毎晩の豪華な食事を貪るための、国民へのゼスチャーに見えるのは、おっちゃんの僻目か。


     
  

   
鎌ケ谷駅前の門松 毎年干支で祝う材木店   神頼みで賑わう道野辺八幡神社
                            
               鎌ケ谷の正月光景         
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元旦の朝、例年のように市内の様子やいかに、と自転車で一回りしてみた。流石に元旦である。人の往来はもとより車も少なく、空気が美味しい。晴れてはいたが、風が冷たい。いつもの材木店には昨年の子年に変わって、モウモウ牛さんが製材品に描かれている。現役時代に通った京葉線・新木場駅構内には、同じような趣旨でいつも巨大な干支が描かれていた。そんなことで、この材木店は特に興味があり懐かしい。
 門松はと見れば、東武鎌ヶ谷駅前ロータリービル入り口に一つ見かけただけである。昨年は3か所で見たものだった。虚礼廃止か環境保全かは分からぬが、昔ながらの伝統のある正月光景が少なくなるのは、ある意味とても寂しい。

 駅から程近い道野辺八幡神社に向う。ここだけは別格であった。5、60メートルはあると思われる階段下から神社本殿まで、びっしりと人波が並ぶ。毎年訪れるが、これだけの参拝は珍しい。ここにも「不況どきの神だのみ」が押し寄せたか。おっちゃんは、割り込みを避け甘酒で祝って帰った。
 

    
     ギョーザ中毒事件に学ぶ         


  日本人が「熱しやすく冷めやすい」のは、他国民の追従を許さないだろう。中国製の毒ギョーザ事件が起きてから、1月30日で1年になった。事件の解明は未だまだ闇の中である。だが、新聞やテレビなどのマスメディアの載ることも、極端に減少した。

 その毒物が、農薬のメタミドホスであったことも既に忘れているだろう。この事件に関しては、日本と中国の捜査当局の意見が食い違った。当初中国は、頑強に自国での毒物の混入を否定した。ところが昨年6月、横流しされた天洋食品のギョーザを食べた中国人4人が中毒症状を起こしたことで、この事件以降、中国側から日本での毒物混入を指摘する声はなくなった。

 原因は明らかに中国側にある。中国人は謝ることを極端に嫌う民族である。従って表立って謝罪はしない。しかし犯人特定へ向けて、日本円で300万円と言われる懸賞金をつけて、捜査は続行中ではある。
 おっちゃんの予想では、中国当局は「犯人をでっち上げ即座に死刑」で決着を図ると想定したが、そのような安易な手段に出なかったのは賢明なことである。

 厚生労働省では事件を教訓に、昨年2月以降輸入された冷凍加工食品について残留農薬検査を始めている。これまでの2300件の検査では、農薬は検出されていないという。しかし水際の検査は抜き取り検査だ。完璧ではない。全量検査は不可能だ。抜き取り検査で、良しとせざるを得まい。
 街中のスーパーでの冷凍食品も復活した。しかし国民には不安感は残るようで、売り上げは回復せぬとみえ、「冷凍食品半額セール」が目立つ。ひっきりなしに行われる「半額セール」を思うとき、「半額」が適正価格と思えて仕方ない。これはヘソ曲がりのおっちゃんだけか。

 外食産業には未チェックの野菜など中国産品が多量に使用されていることを考えれば、検査を続行している冷凍食品のほうが遥かに安全と思われる。

 一方殆ど報道されないが、国内での産地偽装は増加傾向だといわれる。農水省が改善を指示した件数のうち、08年度は30件余の中で21件が産地の偽装。大半は中国産を日本産と偽るケースであった。
 
いつまでも懲りない業者は、永久追放すべきである。改善指示では甘すぎる。断固とした姿勢が必要なのではあるまいか。

      

     
オバマ大統領に学ぶ

 
1月21日、米国に初の黒人大統領が誕生した。オバマ大統領の就任式には極寒の中、全米から200万人もの人々がワシントンに集まった。全世界がその誕生の瞬間を見ようと、テレビに釘付けとなった。現状の変革を訴えたオバマ氏の演説は、優勢と見られたクリントン氏をやぶった。

 彼の演説では、個人名詞の「私」はを使わない。日本人政治家は「私は○○をする」が普通だが、
オバマ氏は「私たち」しか使わない。


 「Yes We Can」→私たちは、きっとできる。Yes We Can Change」→私たちは、きっと変えられる。
 
 
3名ほどのスピーチライターがいるそうだが、そんな気配は感じさせない。自らの言葉で国民に呼びかける。80パーセントという圧倒的な支持を得たオバマ氏だが、前途は多難である。

 原稿棒読みの政治家も、少しは自分の言葉で話して欲しいものである。棒読み演説に心の進歩はない。利権にむらがる政治家、既得権益を手放さないエリート官僚、人間を使い回してはき捨てる企業経営者たち。私たちは力を合わせ、この愛する日本を変えていかねばならない。


 
             「Yes Yes We Can」 
 
         「私たちはきっと きっと できる」

        私たちは、みなの力で日本を変えていかねばならない。
               
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