消費者保護制度(悪徳商法対策)
と
上手なリフォーム工事依頼の仕方

 第三回市民公開講座「消費者保護制度(悪徳商法対策)と上手なリフォーム工事依頼の仕方」を平成17年10月22日(土)午後1時30分より3時30分まで、中央公民館4階 学習室5において開催した。
 今回の講座は、鎌ケ谷市の「まなびぃ大学講師派遣制度」で市職員の講師派遣と、地元鎌ケ谷市NPO連絡協議会代表の五十嵐實氏のご協力を得て公開講座を開催した。
 また、公開講座の告知については市の公民館へのポスター掲示や市広報かまがやへの掲載、「街づくりかまがや」紙の協力を得て、一般市民の方へ開催のお知らせをした。

 当日は、朝方の雨上がりの後、午後は曇り空で生憎の天候であったが、一般参加者や会員などの紹介によって参加された方々を含めほぼ定員に近い23名の参加があった。

 今回の講座は2部制で行い、第1部は鎌ケ谷市職員による「ストップ・ザ悪徳商法」の話がなされた。また第2部は鎌ケ谷市NPO連絡協議会代表で地元で建設業を営んでおられる五十嵐實氏から「上手なリフォーム工事依頼の仕方」と題して、長年現場の工事監督経験が深い同氏よりリフォー工事現場のお話していただいた。なお、各講座終了後に講師の方を囲んだ質疑応答の時間を取り、参加者から活発な質問が相次いだ。


講師を務める市職員の方 NPO連絡協議会の五十嵐實氏


講座内容:


Ⅰ.「ストップ・ザ悪徳商法」
お話の要旨:

 悪徳商法に関する、最近の相談事例として
 (1)架空請求(電子メール、はがき、封書、電報等による悪質な「利用した覚えのない請求」についての対処法について
 対処法としては:
  ①利用していなければ払わない
  ②最寄の消費生活センター等へ相談してみる
  ③これ以上、電話番号などの個人情報は知らせない
  ④証拠は保管
  ⑤悪質な取り立てを受けた場合等は警察へ届け出を


 裁判所からの「支払い督促」や「少額訴訟の呼出状」が自宅に届けられた場合の注意点と対処法

 (2)ワンクリック架空請求・不当請求について説明があった。
  パソコンや携帯電話画面から不用意(電子メールで送りつけられたURLにアクセスをする等)にアクセスした際に、「入口」等のボタンをクリックしただけで契約が成立するような利用規定を定め、当該規約に基づき高額な入会金、会費などを請求された場合には、電子消費者契約法に定める「錯誤による無効」として、不当な請求に対して支払いを拒否できる。
 対処法:
  ①IPアドレス、携帯電話会社名などから個人情報は伝わることはないので、過渡に不安にならないこと
  ②興味本位で気軽にアクセスするのはやめよう
  ③意図せずアクセスしてしまい、利用料金の請求を受けた場合、いわれるがままに支払わないこと
  ④できるだけ記録をのこす

 (3)悪質な「訪問販売によるリフォーム工事」
  ・最近の被害状況について

 悪質な「訪問販売によるリフォーム工事」被害防止の方策
  (全体工事でなく)500万円未満の一部工事であれば、建設業の許可が不要なため、施行技術が未熟な素人同然の業者が参入してきている。そのため施行の悪い工事をしたり、不必要な工事をしたり、高額なリフォーム工事の請求やトラブルそのものの対応が悪い等というような問題が起きている。
 (1)契約する前に
   ①訪問販売での契約は慎重に
   ②工事を依頼するかどうかは、手間と時間をかけて十分に検討すること
   ③業者の説明を鵜呑みにしないこと

 よくある手口とセールストーク
  《1》点検商法:点検に来たと言って来訪し、屋根、床下、屋根裏、白アリ、水漏れ、ほかアスベスト、火災報知器など社会的関心の高い事象を口実につけいる手口に注意。

  《2》見本工事商法:「キャンペーン中で特別価格です」「お宅は目立つ場所なので」「見本の工事なので半額にしておきますから」「費用は実費だけですから格安です」などと言ってリフォームの勧誘をする商法をいう。
  対処法:
   ④複数の会社から詳細な見積もりを取ること
   ⑤必ず改修計画図(書)、工程表の提出を求める
   ⑥家族や友人、知人、近隣住民、介護ヘルパー、民生委員などに相談すること
   ⑦リフォーム相談窓口や、住宅に関する専門機関などに相談することがトラブルを未然に防ぐため重要である
     *リフォーム相談窓口: 国土交通省 http://www.mlit.go.jp/
     *(社)日本建築家協会: http://www.jia.or.jp
     *(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター: http://www.chord.or.jp/
     *リフォネット: http://www.refonet.jp/
   ⑧家族や身近にいる人が注意すること―成年後見制度の活用も―

 (2)契約した後
   ①訪問販売の場合、工事が開始後でも、クーリング・オフ期間内であれば解約できる
     *クーリング・オフ期間内(書面でクーリング・オフを知らされた日を1日目として8日間)で有れば無条件解約が可能である
     *クリーング・オフの通知は必ず書面(簡易書留・配達記録郵便・内容証明郵便にして)で証拠が残るように郵便局から発送する(書面のコピーを保管)
   ②工事が完了しても契約通りの工事がされているかを確認するまでは代金を全額支払わないこと

 (3)不審を感じたら、消費生活センター、相談窓口等に相談を
     *鎌ケ谷市消費生活相談 毎週木曜日 TEL:445-1141(内線288) 商工振興課 消費生活係まで
     *千葉県消費者センター(船橋市高瀬町) 消費生活相談 TEL:047-434-0999
     *千葉県警察本部「相談サポートコーナー」 TEL:043-227-9110

 消費者契約法による取り消し
   業者の不適切な勧誘行為(「不実の告知」「断定的判断の提供」「不利益事実の富国地」「不退去」「「退去妨害」)によって消費者が「誤認」したり、「困惑」して契約した場合は「取り消し」ができます。取り消しができるのは、誤認に気がついた時、又は困惑状態から脱した時から6ヶ月、契約した時から5年以内です。

 特定商取引法(特定商取引に関する法律)による規制
   「事業者の義務」「禁止行為」などが定められています。


Ⅱ.「上手なリフォーム工事依頼の仕方」
お話の要旨:
(1)上手なリフォーム工事依頼の仕方
 ・上手な方法といっても考え方は難しい。まずは、合い見積もりを取る事によって一般市場を知る事が大切であり、少なくと3~4社程度から、合い見積もりを取られて比較すると良い。

 ・現在交渉中の業者に、他社の見積もり価格を見せる事が、一概にマイナスにならない事もある。リフォーム工事を請け負う業者間の競争も厳しく、仕事を取るために先の業者より、更に値引きする場合もある。

 ・但し、見積書合わせで注意しなければならないのは同じ作業内容でも、そこに使用する部材・工法によっても価格は大きく違ってくるので、見積もり合わせは専門家のアドバイスを受けた方が良い。

 ・訪問販売のセールスが「モデル価格で特別お安くします」などと言われても、どこのお宅に行っても同じ様な事を言っている。
悪徳商法に引っかからないためには、訪問販売のリフォーム業者を自宅に上げないこと。一旦上げてしまうと(その気にさせられ)90%近くほとんど契約させられてしまいます。最初は畳の張替え、クロスの張替えなど工事費が安いところから、次に外壁修理、屋根の修理などドンドン工事が増えて行って500万~600万円程の高額な契約を結ばされることになる。

 ・セールスマンはセールスという技術を勉強している。一般の方は、リフォーム工事セールスの現状を良く知らないので、そういう(人の不安に付け入る)セールストークに引っかかって高い契約をすることになる。そのためには同業者から合い見積もりを取って市場(相場価格)を知ることが必要である。現状でも相当値引きをするのが普通だ。従ってリフォーム工事を依頼するにも個々の努力で判断していく他はない。

 (2)契約トラブルを避けるための防御策
 ・リフォーム工事の訪問セールスと話をする場合、年配者や公務員の方などは、自分だけは大丈夫と自負されている方が多いが、訪問セールスによるリフォーム工事の契約被害に合うケースが多い。訪問セールスの常套手段として、「ほっておくと虫がきますよ」「大変です!お宅の屋根が浮いています」「修理しないと雨漏りが起きますよ」など、ついでに他の所も見てあげましょう」などと言われて、セールスを家に上げると「風呂場の配水管が悪い」とか、家の外側を見てから「水が漏れている」等と言われ、そしてユニットバスの交換やキッチンの交換など勧められます。このような場合工事費は普通の値段では無く、定価に15%も上乗せしておいて、ずいぶん値引きしてくれた様な気にさせますが、業者はしっかりと儲けているのです。

 ・訪問販売には契約にリスクがあるので、契約は一人で判断しないで下さい。このような契約トラブルを避けるために一般的な相場が分かる方法を自分で考える必要があります。
 特に郊外に住んでおられる方は、近隣の情報(リフォーム工事費の相場)が不足しているので、訪問販売の被害に引っかかるケースが多い。

 ・リフォーム工事関係の情報を提供する(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターのリフォネット(http://www.refonet.jp/)があるので参考に。リフォーム工事登録事業者は鎌ヶ谷市内で5社登録されているようだ。(財)法人の認定と市の認定を近く受け発表される予定。このような登録事業者を利用されればリフォーム工事で(悪徳商法に引っかかる)大きな失敗は少ないと思われる。

 ・この後は、皆さんからリフォーム工事について、困っている事、相談したい事があれば、どうすればいいか、対処法をこれから説明したいと思います。
 *五十嵐講師の質問にお応えするとの発言を機に、参加者より自宅のリフォーム工事に関する質問が相次いだ。


Ⅲ.火災保険による、自然災害保証の保険申請代行について

(株)アイエス 藤木晴康氏
               

 台風、暴風雨などでアンテナが倒れたり、瓦がずれたり、外壁が壊れたり、屋内に雨漏りが発生した場合、今まで火災保険に入っていても、火事だけが保証対象と思われていたのではないでしょうか?
  火災以外でも、自然災害で被害を被った場合、適正な申請をすると保険を受け取ることが出来ます。

 当社は、自然災害の被害を受けられた方の依頼に基づいて、ご自宅を診断し保険会社に提出する資料・書類を作成し、保険申請代行を致しております。また自然災害では20万円以上の損害は保険金支払いの対象となります。





 講座終了後のアンケート結果においても、行政の協力を得てこのような講座・セミナーをNPO法人が公平な立場で開催する事については賛成が多く、もっと頻繁に開催して欲しいと言う意見がありました。
 これからも、当NPO法人と致しましては市民の皆さんの関心が高いテーマについて、希望を募り開催を企画していと存じます。

(S.K)