中国吉林市の語学留学体験記(Part1)


 今月(2009年11月)、当NPO法人会員の今村隆一さんから、中国吉林市に現在語学留学されていますが、外から見た日本の政権交代などの感想と共に、中国吉林市での留学体験を寄稿していただきましたのでご紹介します。


 市役所を昨年3月末に定年退職して直ぐに中国吉林省吉林市に来ました。
以来北華大学国際教育交流学院で漢語学習をしており、もう1年半が経ちました。

 日本が選挙によって政権交代して未だ3ヶ月も経たないのに難題が山積しているようです。日本にいなくても「大変さ」だけは感じています。

 温暖化対策、インフルエンザ、年金、母子加算、子ども手当、高校無償化、郵政民営化見直し、高速道路無料化、八つ場ダム、沖縄基地移設などキリがありませんが、どれもこれも切実で現実の課題なのですから以前のように弱い者、一部の地域や人に犠牲を強いた強引な選択は決してしないことを望みます。

 新政権のキャッチフレーズは“友愛“。「よくもまあ、口に出した首相ご本人の心境は?」と尋ねたいほど私には歯が浮く感じですが、他人のいやがること、悲しませることをしないことが「友愛」の精神なのですよね。

 沖縄基地問題は県民がいやがることを押しつける県内移設などを認めることは論外で、沖縄県と本土米軍基地の現実・事実をアメリカの大統領に伝えることが友愛の精神と実践に合致するものだと思います。

 日本の安全を保障するどころか米軍基地こそ、余りに多い米兵の沖縄の女性へのレイプ事件や事故、犯罪など、逆に脅かしてきた経過と現実を見るべきで、基地必要論を説く愚、「核の傘」への妄信から解き放さなければなりません。

 6カ国協議に参加している中国、韓国、ロシアも日本に武力侵攻する可能性があるのでしょうか?
好戦国?アメリカの軍は既に64年前に、日本に入り込み、居続けているわけで、いま日本を攻撃する必要は全く無いでしょう。しかし、かってアメリカはベトナム、最近はイラクなどウソを塗り固め他国を侵略した。米軍基地が日本に無くなれば侵略する?危険?・・・。


 さて吉林は11月に入り最高気温さえも零下の日が続き、降った雪も解けずに氷り始めたところもあります。先日自転車で氷の上に乗ってしまい転倒し、幸い怪我なくすみましたが、危険です。

 漢語のクラスは初級1A班、初級1B班、初級2班、初級3班、中級1班、中級2班、高級班などと分かれており、他にパキスタン人だけの班2でそれぞれ20人ほど居ます。

 私の班は韓国人7人、ロシア3人、蒙古2人、ウクライナ2人、カザフスタン2人と私の17人。男は6人、女は11人。

 誰も若く漢語の暗記がすこぶる早く、年長の私には悔しい思いと彼らの成長が頼もしくも感じています。

 いつも外国人と一緒ですが言葉や背格好の違いを超えて時間の経過とともに親近感が募ります。従って日本に居た時には気づくことが無かった感情が沸き、国の違いで国同士が戦わないで平和で友好な関係をつくって欲しい、と切実に望むようになりました。

 モンゴルの二人は19と18歳の男女で、国でも相撲が実況TV放送されているとのこと、相撲好きの私より力士名を知っていて、既に引退した高見山、曙、若の花、貴乃花、武蔵丸なども彼らの口から出ました。

 殆どの留学生が大学の中の留学生宿舎に住んでいます。これは中国人学生も同様、学生宿舎に住んでおり、ごく一部の者、若しくは吉林市内に実家がある者が学外から通学しています。

朝市冬の風景 吉林世紀広場で秋のブックフェア 吉林世紀広場 夏のビール祭で

 私も市内に部屋を借りている一人で自転車で片道35分の通学をしています。従って朝は住まいの側の朝市に出る露店で朝食を取り、昼食は大学内の食堂に行き、夜は自炊するか住まいの近くのレストランで食事をしています。1年を経過してやっと街にも生活にも慣れたようです。

 これから1月下旬の春節(中国の正月は旧正月)にかけて気温は下がり続けるそうです。一番寒いときは零下30度以下だそうですが、日本と違って湿度が低い分、体感はそれほどではないと私は感じています。室内は暖気が通っていていつも18度から20度はありますので、普段は寒さからの恐怖はありません。それでも、暖冬だった去年でも外にいるとやはり冷えました。

 風邪もインフルエンザも要注意の季節に入りました。何処に居ようと健康には気を配りましょう。


再見