初夏の欧州旅行(スイス アルプス編)Part4


6日目、今日は楽しみにしていたユングフラウヨッホ観光と途中の駅で下車してお花畑を歩くハイキングである。昨夜から山の天候が大変気になっていたが、今朝、ホテルの窓から山の方を見ると雲は掛かっているが少し日が差していて、何とかお天気が晴れればと願うばかりである。
 山の麓から見ていてもユングフラウの頂上は雨なのか、曇りなのか分からない。ガイドさんの説明では、ホテルのTV番組でヨーロッパの有名な山の頂上から、現在の天候状態をライブで中継している専門チャンネルがあるそうだ。その説明によれば今日は天候もOK、頂上は快晴との事。バンザイ!である。
 登山列車の出発点、ラウターブルンネンから登山電車でユングフラウヨッホ目指して登って行く。出発点のラウターブルンネンの近くにU字型渓谷の切り立った断崖から流れ落ちる滝(落差は100mほど)を横に見ながら、渓谷を登って行く。

ラウターブルンネン駅の背後の滝 天気が良く駅から見える雪山 アイガーグレッチャー駅にて

 登山電車は途中アイガーグレッチャーで乗り換え、さらに急な斜面を登って行く。乗り換え駅から程なく長いトンネルに入り、途中の停車駅で、トンネルの中に洞窟を掘って、その先には大きなガラスがはめ込まれた観光用のスペースがあって、身近に山や氷河を見ることが出来た。ユングフラウヨッホは標高3,454mでTOP OF EUROPEと言われ、アイガー(3,970m)、メンヒ(4,099m)、ユングフラウ(4,158m)の三つの山がある。

ユングフラウの頂 展望台から見える山頂 第2展望台の雪原

 程なく、ユングフラウヨッホの山頂駅に到着、地下道を通ってエレベーターでユングフラウヨッホの展望台に登った。天候は正に快晴。目の前にアイガー、メンヒ、ユングフラウが真近に見える。圧倒的な迫力に思わず”ワァー素晴らしい”と自然と声が出てしまう。丁度同じ登山電車に関西から来ているツアーグループに、取材に同行していたTVカメラマンも”素晴らしいですね!”と感嘆しきり。展望台からは眼下に雄大なアレッチ氷河が望める。地球温暖化によりこのアレッチ氷河も先の方はドンドン溶けて後退しているそうだ。

スイス登山鉄道でユングフラウ(Top of Europe)に向かう

 この後、展望台から下に降りた第二展望台に向かった。ここは、雪原に直接出ることが出来る場所だ。天候も快晴で、TOP OF EUROPEの山々を写真撮影をした。しかし、外気は大変低くマイナス20℃ほどの、この場所には10分も立っておられない。早々に退却して、展望台の内部にある氷の宮殿に向かった、この中は狭い氷のトンネルを通って行くと、所々に窪みが掘られて、その中に氷の彫像が展示されている。観光時間が短い中で三箇所とも周れたのはすばらしいと後でガイドさんが話してくれた。

第2展望台から見た氷河 氷の宮殿内部 宮殿内の作品

 1時間ほどのユングフラウヨッホの滞在であったが、こんなに直ぐ傍で、ヨーロッパの有名な山々の頂上を見られるなんて、本当に素晴らしい思い出となった。この後、頂上駅から先ほどの登山電車で途中乗換駅のアイガーグレッシャーまで降りて、ここで昼食。スイス料理のベルナープラッテを頂く。このお料理は日本風に言えば、ジャガイモを主体としたお好み焼きのような感じである。添え物として酢キャベツとソーセージが出た。プラス例によって日中からビールを頂く。

 お腹も満腹となり、隣りのホームからクライネ・シャイデックに下る登山電車に乗車。今まで見てきた、アイガー、メンヒ、ユングフラウを車窓に見上げながら、徐々に麓に向かって下っていく。途中で下車して、1時間ほどお花畑を歩く予定であったが、どう言うわけか途中駅で電車が止まらず、最終目的地まで降りてしまった。後でわかったことだが、途中下車の時には、ドア付近についてる停車ボタンを予め押しておかなければならないようだ。このようなハプニングが起こった後、再度終着駅から2駅ほど戻って、そこから麓を目指してハイキングをする事となった。

クライネシャイデックの観光案内 スイスのお花畑 麓に見えるスイスの村
下山途中で見たロッジ 村のカウベルを付けた乳牛 グリンデルワルトの観光案内
スイスの登山電車 麓に近い村 グリンデルワルトの駅前

 スイスでは、7月半ばまでは牧草地の花を刈ってはいけない規則となっているようだ。その理由は花の受粉が済んで翌年また花が咲くように、刈り取り時期を定めているようである。
 1時間ほどのハイキングは、牧草地に咲くいろんな花々に加え、周辺に見えるスイスの山々、まるでハイジの世界そのものである。スイス風の木造の住宅が多く見られ、また麓には沢山の家々が絵のように見える。近くの山頂からはスカイダイビングのパラシュートを巧みに操り、ゆっくりと大空に円弧を描いている。山を下っていく途中で牛の放牧をしているところを通過した。牛の首には大きなカウベルが付けられ、草を食む動きに連れてカラコロと鳴る音が聞こえる。ほどなく、グリンデルワルトに着いた。そこからインターラーケンに向かう列車に乗車するまでの待ち時間に、この街を少し散策してみた。どこの観光地も同じようにお土産屋さんや喫茶店、ちょっとしたブッティクなど、観光客が立ち寄りそうな商店街があった。途中でその中の喫茶店に入って、コーヒーとアイスクリームを注文する。簡単な英語でも地元の人には通じるので助かった。

 インターラーケン駅には40分ほどで到着、後は各自ホテルに向かって10分ほど歩けば到着できるとあって、各自思いおもいに自由行動をとる。丁度駅前に「コープ」があったので、試しに立ち寄ってみた。店内は日本と同じようなスーパーである。ただ少しお店の規模が大きいかなと感じる程度であった。買い物支払いはスイスフランなのだがユーロでも支払いは可能だ。ただし、つり銭はスイスフランで渡される。
 このスーパーで少し買い物をして、ブラブラとホテルまで歩いていった。今夜も同じホテルに宿泊する。最後のヨーロッパの夜である。夕食は近くのレストランで、ジャガイモとチーズを大皿に載せて、オーブンで焼いた熱々のスイス料理を食べた。少し塩分が強いので喉が渇く。ボリュームもあるので結局全てを平らげることは出来なかった。

 7日目、さぁ~、今日で楽しかったヨーロッパ旅行も終わり、帰国である。空港に向かうチャーターしたバスに乗車。運転手さんは女性だった。インターラーケンから空港まで約2時間半、一般道路や高速道路を通過して空港に向かう。途中停車場所で、ガイドさんに何故スイスの道路にはカーブミラーが設置されていないのかと聞くと、スピード違反は監視カメラでチェックされていて、スピード違反する人も少ないし、安全運転であるとの返事だったが、本当かな?

 ようやく、チューリッヒ空港に到着。出発までの間、時間調整で空港内で最後の買い物や、軽い食事を取って、午後1時ごろ、ようやく飛行機に搭乗する。これから日本まで長い11時間近くの旅である。通常ジェット気流で日本に向かう時は少し、飛行時間が短くなるのだが、このときは1時間ほど到着が遅れた。
 日本時間の翌日午前9時ごろ成田に到着して、荷物を受け取り自宅に向かう。旅行途中に特に事故も病気にもならず帰国できたことは幸いであった。8日間ほどのヨーロッパへの旅行だったが、良き思い出となった。
 帰ってから、旅行の途中で写した写真や、ムービーなど沢山あって、その整理がこれまた大変である。
先日、ようやく写真のプリントとアルバムの整理、動画編集を終えてCD-ROMに編集作品を焼き込んだ。旅の記録は編集後約50分ほどであるが、さてさて、誰が見てくれることやら?子供達もそうは付き合ってくれない・・・・。結局は自己満足か。

おわり
(投稿:TOMY)