東中欧の旅(その3ハンガリー・ブタペストの旅)


 5日目(6月8日木曜日)
 今朝はイウィーンともお別れ、バスでハンガリーの首都ブタペストへ、所要時間は約5時間、距離は278Km程。
朝方は、ここウイーンでも気温が低く、長袖のスポーツジャケットが離せない。市内を川沿いにオーストリア国境に向かう。
途中で車窓から見たオーストリアの風景は、平坦な牧草地や畑がどこまでも広がり、また途中の小さな町では教会やスーパーマーケット、一般の住宅などが次々と移り変わり外国の町の風景がなかなか面白かった。

 オーストリアとハンガリーの国境では、オーストリア側の出国のパスポートチェックがあっただけで、ハンガリー側の入国チェックは省略されていた。この辺もEU加盟国であるため出入国管理も緩和されているのかもしれない。

 国境を通過してハンガリーに入ると、平坦な牧草地が続いて、途中にところどころ農家が見える。また町の郊外にさしかかると、集合住宅のアパートや、すでに廃屋となった工場跡、また新しく建設された工場なども見られ、旧共産圏時代からEU加盟によってどんどんと変わってきているのだなと実感された。一般道路わきの民家の窓には白いレースのカーテンがかけられ、窓辺には美しい花のプランタンなどが掛けられて小奇麗に飾られていた。
 
 最初の観光地、エステルゴムに着いた。ここはハンガリーの初代国王イシュトヴァーンの生誕地であり、ハンガリー最大規模でカトリックの大聖堂が見られる。この大聖堂の中では正面に大きなマリア像が描かれている。大聖堂を見学する前に、地下にある元はこの教会のぶどう酒の貯蔵庫を改修して、現在はレストランになっているところで昼食を摂った。後で、聞いた話であるがこの教会の地下には聖人たちが埋葬されており、そのまた下がレストランになっているというわけである。

ハンガリーの大聖堂 大聖堂内のマリア像壁画


 首都ブタペストに向かう途中で、ドナウベント地方の観光ができた。ドナウ川を見下ろす高台に要塞があるヴィシェグラード、ドナウ川が大きく蛇行し、要塞の上から川の流れが変わっているのが見える。又このあたりには大型の観光船が航行していたり、眼下に船着場も見える。ヴィシェグラードの要塞も昔オスマン・トルコの侵攻によって、砦は破壊され、今はわずかばかりの砦の一部が残っているに過ぎない。

砦の眼下に見えるドナウ川 ヴィシェグラードの要塞 観光船が停泊


 セルビア人が造った南欧風の小さな町、教会広場や美術館も多いセンテンドレの町を訪れた。町の中に入ると教会広場を中心に細い路地が放射状に広がり、レストラン、お土産や、アイスクリームのお店、美術館、一般の住宅などが隙間なく立ち並んでいる。その町の観光で「コバーチ・マルギット美術館」を訪れた。ハンガリーでも有名な陶芸家で、素朴な素焼き彫像に色彩を施した多くの作品を残している。残念ながら館内は撮影禁止のため写真はお見せできない。
 

美術館の正面のレプリカ WEBサイトより引用 陶芸展示品

 夕方近く、ようやくブタペスト市内に入ってブタペスト マリオットホテルに到着。このホテルは全客室がドナウ川に面していて朝方や夕刻から夜のライトアップされた「くさり橋」「ブタ王宮」「教会」などを部屋から楽しむ事ができる。
 ホテルの夕食が午後7時ごろから始まったが、食後まだ時間も早いのでホテルのドナウ川に面した歩道を散策して、ブタベストで有名な「くさり橋」を対岸まで往復した。9時過ぎごろには当たりも暗くなり「くさり橋」や周辺の建物のライトアップがなされて、きれいな夜景が真近で見ることが出来てラッキーであった。

ブタペストでドナウ川沿いの最も美しい夜景 早朝のブタ王宮 マーチャース教会


 6日目
 翌朝はブタペスト市内の半日観光が組まれていて、ドナウ川の対岸はブタ地区、ホテル側はペスト地区に分かれている。最初に「くさり橋」を渡り対岸のブタ地区で、マーチャーシュ教会や、漁夫の砦、ブタ王宮などを見て廻った。これらの場所は、小高い丘の上にあって眼下にドナウ川や対岸(ペスト地区)の国会議事堂や聖イシュトバーン大聖堂などがよく見える。また上流には川の中州の様な、緑に囲まれた細長いマルギット島が見られる。

ブタ地区から見た「くさり橋」 ドナウ川に沿って走る市電 聖イシュトバーン大聖堂 大聖堂の中


 このハンガリーの通貨はフォリント=約0.5円である。結局この国でも市場ではユーロで買い物ができるのでマネーチェンジはしなかった。市内観光の途中でお土産やさんに立ち寄った。ハンガリーではレースの刺繍や細かいビーズを縫い付けた民族衣装の人形などが売られている。今度はペスト側に戻って聖イシュトバーン大聖堂や英雄広場などを見て廻った。昼食の後は自由行動となっていたので、ホテルから近くの歩行者天国となっている通りを、ブラブラとウインドーショッピングに出かけた。

 自由橋近くにある中央市場に立ち寄った。旅行に行くと時間があれば、その国の人たちがどのような食生活をしているのか市場に立ち寄ると色んな物が売られているので面白い。さすがにこの国は大陸内部にあるのでパン類やお菓子のほかハム、ソーセージ、肉類の種類や加工品も多い。市場の中では立ち飲み屋(お酒や軽い食事も出来る)やお土産品、お酒類も売っているので、気に入ればつい買ってしまう事になる。

 夕食はツアーの旅行社で予約されたレストランに入り、食事をしながら民族音楽とダンスのディナーショーを楽しんでから、ドナウ川のナイトクルーズを楽しむ事が出来た。6月と言えどもさすがに夜風は寒く、船内から対岸のライトアップされた建物・橋などの夜景を楽しむ事が出来た。

 ホテルに帰ったのは夜の11時ごろで、帰国当日の翌朝は朝の5時過ぎにはホテルを出発。
最終日は結構ハードなスケジュールである。ハンガリーの空港から1.5時間ほどでアムステルダム・スキポール空港着。日本向けの飛行機の出発まで待ち時間が6時間ほどあるので、トランジット途中で3時間ほどアムステルダム市内を観光するおまけまで付いた。帰路も同じKLM航空で11時間ほど長いフライトである。 おわり。

投稿者:TOMY