団塊世代のこれから


 団塊世代といえば、1947年〜1949年(昭和22年〜24年生まれ)で年齢的には昭和22年生まれの方は今年64歳となり、あと1年ほどで年金受給の対象となる。昭和24年生まれの方はまだ3年ほど経過しないと年金の受給資格が得られない。
 それより各10年ほど早いシニア世代1937年〜1939年(昭和12年〜14年生まれ)で、昭和12年生まれの方は今年で74歳となられ、昭和14年生まれの方は72歳である。シニアの方でも前期高齢者(65〜74歳)の分類に厚生省の医療保険制度では区分されている。なお後期高齢者の方は75歳以上の方たちを指す。

 先日、インターネットのサイトを見ていたら団塊の世代とシニア世代の意識調査結果が出ていて、その内容を読むと結構面白い傾向が出ているので、参考までに紹介をしておきたい。
 引用元:凸版印刷株式会社 消費者動向002より
(詳しくは右記のURLから参照してください・・・URL:http://biz.toppan.co.jp/mrl/original/syouhisya/pdf/dankai_02.pdf

 @団塊の世代・シニア世代の興味とメディア(モニター調査より)
  ・シニア世代・団塊の世代に共通して「健康」・「旅行」・「自分の趣味」の情報に高い興味、団塊世代は探索型メディア、シニア世代は受動型メディアを好む
  ・シニア世代は新聞広告・テレビCMなどの受動型メディア、団塊世代はパンフレット・雑誌・ホームページなどの自己探索型メディアを好む傾向があり、メディア嗜好に違いがあった。

 A団塊・シニア世代とともに「健康」・「旅行」・「自分の趣味」の情報に対する関心が高い。団塊世代は「お金」、シニア世代は「安全」に興味を持つ傾向が高い。

 B情報メディアに関しては、団塊の世代は探索型、シニア世代は受動型
  ・団塊世代とシニア世代Aおける「ホームページ」に対する評価・活用意向には顕著な差が見られる。団塊世代はシニア世代に比べるとインターネットへの親和性画高く、自ら情報の収集・探索を行う、情報収集に対して積極的な世代といえる。
  ・商品・サービスの情報収集に役立つと思う情報媒体
   クチコミ(両者とも1番)、シニア世代(新聞広告、テレビCM、定員の話)、団塊の世代(商品パンフレット、雑誌記事、ホームページ)
  ・今後活用していきたいと思っている情報媒体
   新聞記事(両者とも1番)、シニア世代(新聞広告、テレビCM、ダイレクトメール)、団塊の世代(雑誌記事、ホームページ、書籍)

 シニア世代に比べれば、団塊の世代の方たちは何事にも能動的で、新しいことに関心を持って、自ら目的の物や情報を積極的に捜し求める行動力がある。その意味では団塊世代の方たちが青春時代に(昭和40年代後半以降)に熱狂したポッツプカルチャー(ビートルズ、ツイギーetc)世代。全共闘の学生運動も盛んな時代だった。

Beatles Twiggy Nissan Skyline モーレツCM

 日本が東京オリンピック(71964年)以後も経済成長が続く中、団塊の世代の人々も会社人間となって今度は猛烈に日本の経済成長を支えた。そして社会に出て40年余り来年辺りから、団塊の世代の大量退職を迎える時期となる。

 この表題にあるように「団塊世代のこれから」については、年金受給対象の65歳となって悠々自適の生活が送れるかとなるとこれは、その10歳年上のシニアー世代に比べればかなり厳しい状況にあると言わざるを得ない。日本の国際発行残高が924兆円を越え、更に2011年度国家予算では44兆円に余る国債発行を余儀なくされる上に、東日本大震災の復興国債発行額10兆円を越える。福島原発事故の損害賠償額は数兆円とも言われる巨額のお金を必要としている。

 こうなると、日本の国債の長期債の表面金利は徐々に上がらざるを得ない。最近では格付け会社(S&P社)の日本国債評価はAA→AAマイナスにまで格下げされる状況だ。こうなるとこれから年金給付を受ける団塊世代の人たちは、受給年金額の引き下げの可能性もあり、更に震災復興予算を賄うために消費税増税も現実味を帯びてくる。

 退職するまで、社会や家族の為に一生懸命働き続けようやく退職後は、自分の好きな趣味や旅行などを楽しもうと思っても、上記の様な年金減額の恐れや消費税増額のリスクも考えると退職金をそんなに自由には使えないというジレンマに陥る。

 日本人の平均寿命(2008年調査)は女性で86歳、男性で79歳で男女とも過去最高だそうだ。男性が80歳位を平均的な寿命と見れば、65歳定年退職時から残された時間(年数)は15年程である。自分の体験(1942年生まれ)からすれば、70歳くらいまでは趣味や旅行やスポーツなどに体力的にも付いていけるだろうが、70歳を越えればかなり体力的にも無理が利かなくなり、行動も制限されるようになるのではないだろうか。今まで会社生活が長い人たちは、退職後毎日の仕事がなくなると緊張が解けると同時に、今までは病気など気にもしてなかった身体の各所に具合の悪いところが見つかり、病院とのお付き合いが始まるようになってくる。

 市内でも前期高齢者(64歳〜74歳)の部類に属する人たちが、朝方・昼・夕方にかけて市内の道路を健康維持のためかワーキングや軽いランニングをする人を多く見かける。これは太りすぎによる糖尿病予防も兼ねて体重を減らす努力を続けたりウオーキングによる筋力や体力低下を防ぐ目的で、運動をしているのだと思う。

 退職後の残りの人生をどう過ごすかは、それぞれ人によって異なるが平均的には65〜70歳くらいまでは、いままで会社人間で働いてきた自分へのご褒美として、連れ合いの方との旅行や趣味に過ごすのも良いかもしれない。一般的に会社人間生活が長いとご近所との付き合いも無く、退職したから直ぐにご近所づきあいや地元に知人を作るは容易な事ではなかろう。少なくとも自分の経験からすると3〜5年ほどは地元の生活に慣れるまでは時間が掛かる。

 そこで、一つの提案だが65歳定年を機に今まで社会にお世話になった恩返しに、何かボランティア活動(高齢者支援、障がい者支援、子育て支援、交通事故帽子活動や町の安全パトロールなど)や社会貢献活動に参加してみることを考えてみてはどうだろうか?退職後10年ほどをこの様な活動によって社会とのつながりを継続し、かつボランティア活動などを続けることで地元での人脈作りにも役立ち、何か仕事を続けて行くことによって人生に張りを持って生活をしていける。

 75歳を過ぎると、体力・気力ともに徐々に減少してくるので、せめて自分の事は自分でこなす努力を続け、出来るだけ家族に世話をかけないで生活できれば合格点だ。80歳近くになれば後は天命を待ち、家族と共に穏やかな人生を過ごしたいものだ。(将来、医療技術の進展によて更に寿命が延びる可能性も否定できないが)

 何か、抹香臭い話しになってしまったが65歳に達すると、否が応でも人生の残された時間を気にせざるを得ない。後は自分がどう残された時間を有意義に過ごすかのプランを立てるかにある。

(投稿: 富雄)