お魚屋さんの料理教室



 今年最後の12月に、当NPO法人としては初めての料理教室(全3回)を6日・13日・20日各月曜日に4時間づつ南部公民館の料理教室で開催した。
 
講師を務める小西惟愛さん 受講生の皆さん 本日の食材イカについて説明

 講師はこの道30年のお魚屋さんの経験を持つ小西さんが講師で料理教室を開催した。募集定員は16名に対してほぼ定員に近い15名が参加した。参加者は当初男性(プロが指導するお魚屋さんの料理教室としたため)が多いのではと思ったが、男性1名に対し残りは全て女性の参加で、講師の小西さんの手八丁口八丁の語り口で笑いを誘いながら、さすがこの道のプロ、包丁裁きも魚の調理方法も懇切丁寧に教えられるので、参加者の皆さんその朝市場で仕入れた新鮮なイカや鯖を丸ごとまな板の上においての、魚の鮮度の見極め方やイカの腸の抜き方、薄皮の剥ぎ方、鯖の三枚おろし方などを熱心に学んでいた。

イカの鮮度の見極め方を説明 イカの薄皮を剥ぐ(1) イカの薄皮を剥ぐ(2)
塩辛用の腸(ワタ)の塩漬け 水気をよく切って腸の塩漬け 初日の昼食試食会に満足!

 初日は新鮮なイカを「塩辛」に加工するための、途中で腸を切れない様に、きれいに腸(ワタ)を抜き取るかの方法を伝授。講師が手さばきを見せるとさすがにきれいにイカの体から腸がスットと抜き取れる。しかし受講者の方が腸を抜き取ろうとするとなかなか手本通りには行かないのが常である。それでも何本かのイカを調理するうちにそのコツも少しつかんだ模様。ついで、当日イカの体内から取り出した全ての腸を、「塩辛」にするためタッパーの中にこれでもかという程沢山の塩を底に引き、その上に腸を並べていく、更にその上に充分すぎるほどの塩を振りかけ、またその上に腸を積み重ねていく。こうしてイカの腸の塩漬けができる。しかしこの後2週間ほど寝かせて塩を充分に腸になじませる。「塩辛」つくりは実際には3回目の最後に行われた。

講師からイカのさばき方コツを(動画再生

 初日のイカの調理は、前述の「塩辛」作りのための腸の抜き方、薄皮の剥ぎ方などを学ぶ。次に新鮮なイカをお刺身用に細く包丁で切る。しかしここで講師の講釈が入る、包丁は引いてきるのでは無くて一度押してから軽く手前に引くときれいに切れると説明された。また調理の際に出たゲソや剣皮部分は包丁で切って、煮付けにした。

 出汁の作り方にしても、レシピを事前に準備して各行程ごとに写真も添えた本格的なもの。醤油とお酒とコンブ出し、鷹の爪などを加えて味を調え、その中に先ほどのイカのゲソと剣皮を入れる。少し薄味だが程よい味付けが成されて、試食でも美味しかった。今回の料理教室の特徴は、当日調理した食材でお昼を頂くこと。初日はイカのゲソ煮付けと味噌汁にご飯で昼食も頂く。また、サンプルとして小西講師が持参した「鯖の押し寿司」を一切れずつ味見した。鯖に油が乗っていて美味しかった。昼食時に試食するため、柿とリンゴとヨーグルトの和え物も作った。

本鯖とゴマ鯖を本日は調理に使う 鯖の下ろし方を説明 三枚に鯖を下ろす
指の隙間を使って塩を切り身に降る 包丁の研ぎ方を説明 受講者もしめサバづくり

 2回目(13日)は「しめサバ」づくりである。前回と同様にその日の朝市場で仕入れた新鮮な、本鯖とゴマ鯖を各自2本ずつ包丁でさばく。講師の手ほどきで鯖をまず3枚に下ろす。ここでも包丁の使い方を丁寧に指導する。
 各鯖の1本は「しめ鯖」用に調理してさばき、残りは2枚に下ろしてこれは「サバの味噌煮」に調理する。
 調理の途中で、講師より持参の包丁研ぎ石で、包丁の研ぎ方の手本を示した。参加者の持参した包丁はやはり素人の研ぎ方か、余りよく切れない。包丁の研ぎ方にもコツがあり少し角度をつけて研ぐと良く切れると講師の説明がった。受講者の主婦の方から持参した包丁を講師に試しに研いでもらうと見違える程切れ味が良くなって、研ぎ方一つでこんなにも違いが出る事を学ぶ良い機会となった。

 さて、2日目のメインの調理「しめサバ」作りであるが、三枚に下ろした鯖をバット(底の浅い四角い金属製のお皿)に並べるのであるが、バットの底にたっぷいと塩をまき、その上にしっかりと水切りした(魚の切り身をペーパータオルで充分に水気を除く)鯖の切り身を並べて、塩をこれでもかと言うくらいたっぷりと塩をまく、この塩のまき方も講師によれば、指の隙間から満遍なく塩が切り身の上に蒔かれるように調整すると説明がされた。

 「しめサバ」づくりを行っている間に、ご飯を炊く手配を行う。炊き上がったご飯を調味料を使って酢飯に整える。この後「しめサバ」を約30分ほど塩になじませ後に、冷蔵庫から取り出して、先ほど作った酢飯を良く水洗いした「しめサバ」の上に酢飯を盛り付けて、押し寿司の形にサランラップで包んで形を整える。結構傍で見ていてもサランラップを下にひいた上に「しめサバ」のきり身と酢飯を載せて、手でサランラップをつつみ押し寿司の形に整える作業であるが、簡単に出来てしまう。押し寿司といえば「しめサバ」の上に酢でしめた薄いコンブを載せた物が普通だが、今回はコンブは無くてそのまま「しめサバ」のままである。これは受講者が自宅に持ち帰り「押し寿司」の上に3〜4Kg程の錘を載せて半日ほど置いておくと丁度良い具合に「しめサバ」の塩味が酢飯に馴染んで美味しい。

 「押し寿司」づくりが終わると、次に先ほど2枚に下ろした鯖を使って、鯖の味噌煮を作る。小西講師が味噌煮の煮出しの作り方を教えるが、ここはかなり大雑把。お醤油・みりん・コブ出汁・味噌も意外と少量で味付けし、そこに鯖の身を入れて暫く煮る。それでも試食した感じでは結構行ける。

 2日目は午後からの料理教室のため、少し最後に試食する程度であった。その日の調理実習の終わりには各自「押し寿司」や魚の粗(アラ)を持ち帰る。

鍋用の食材(野菜など) ポン酢づくりの準備 イカを身から中身を外す
腸(ワタ)に塩をたっぷりと降る 持ち帰り用の腸に塩を振る 完成品のイカの塩辛

 3日目の最終日(20日)は、「塩辛」と「ポン酢」を作る、講師が持参したオレンジとレモンの果汁を絞り、ボウルの中に果汁と醤油・みりん・混布だし・鷹の爪などを適量加えて「ポン酢」を作る。これは後ほどお鍋を作って最後に、受講者の方たちと試食するためのもの。最終日は当日の朝市場で仕入れた新鮮なイカを、再度おさらいでイカの体から腸を抜く調理の仕方を実習する事となった。今度は二回目なので受講者の皆さんもコツを覚えていて比較的上手くイカを捌くことが出来たようだ。イカの身の部分を包丁で、細身に切って「塩辛」に入れる材料を準備する。イカのゲソや剣皮部分も少しであるが細かく切って、2週間塩漬けした腸と混ぜ合わせる。当日仕入れたイカも腸の部分からとった中身を、塩漬けの腸と混ぜ合わせて味の濃さを調整する。この様にイカの切り身と塩漬けした腸を混ぜることにより「塩辛」が出来上がる。講師が言われるには本来腸の塩漬け部分とイカのきり身を混ぜ合わせることによって、イカの切り身から水分が出て丁度良い味になるのだと説明があった。実際に新鮮な「塩辛」は少し味見をさせてもらったが、丁度良い塩加減でとても美味しかった。

 受講生が最後に試食する昼食は、先ほど作った手製の「ポン酢」と鍋用の魚の粗(アラ)金目鯛と鱈、他に鱈のきり身である。これに各種の野菜を入れて鍋物を調理する。ご飯と一緒に鍋物を受講生と一緒に昼食をとって、一応これで、全3回の「お魚屋さんの料理教室」は終了となった。
 受講後の参加者の感想によれば、とっても良かったので是非また、料理教室を開催して欲しいと強い希望が出された。主催者側からすれば一般的な料理教室は違って、お魚屋のプロが指導する料理教室は一味変っていて参加者にも新鮮な喜びを与えられたのではなかったかと思われた。

(レポート:S.K)