2012年10月30日成田国際空港から南国ベトナムに向けて1週間の海外旅行である。

海外旅行は2008年以来4年ぶりとなる。今回の旅行は結婚をして40年を迎え、それを記念しての夫婦旅だ。

前回の旅行の様に、飛行機に乗っている時間が12時間もかかるようでは体力的にもきつく、アジアの周辺国に以前から旅行をしてみたいと思っていた。たまたま、テレビの海外旅行番組などを見ているとベトナムを紹介する旅行番組が最近多くみられ、一度行ってみたいと思っていたので、70歳の誕生日も近い10月の末、ベトナム旅行を旅行会社が募集していたので参加申し込んだ。団体旅行もあまり参加者が多いとガイドと話す機会も少なくなって、現地でバスなどで観光地を引っ張りまわされるはめになるのではと、少し心配していた。

 さて、10月30日出発の当日、指定された成田空港の出発ロビーの旅行会社のカウンターに指定時間に行ってみると、何と申込者は我々1組だけではないか!そしてこの旅行プランでは成田から添乗員がついてくるわけでなく、現地の空港でガイドが待っているので、そのガイドを探して旅行をしてくださいとの事。我々の様な高齢者が添乗員なしで言葉も通じないベトナム行には正直少し不安もあったが、何とかなるわとの気持ちで、ほぼ定刻に成田国際空港をベトナム航空機で飛び立った。

成田空港の出発待合ゲート ベトナム航空のフライトアテンダント

 機内はベトナムの民族衣装(アオザイ)を着たキャビンアテンダントの女性たちが温かく迎えてくれた。日本の成田空港からベトナムのハノイ国際空港までは6時間半程の空の旅。しかし、時差が2時間ほどあるので日本時間で午後4時ごろ到着しても、現地時間は午後の2時過ぎ。ベトナムは共産主義国なので入国審査も厳しいのかなと思っていたが、日本のパスポートを提出して何か質問をしてくるのかと身構えていたが、意外と何の質問もなく入国できた。スーツケースを受け取って入管の手荷物検査もフリーパス状態で通り、出迎えのロビーに出ることが出来た。さて、ベトナムに入国したものの旅行会社の現地ガイドの人が来ているのか不安であったが、出迎えの人の波の中に旅行会社の現地ガイドを見つけてホットした。

 さっそく簡単な挨拶(むろん日本語で)をしてから、出迎えの車に乗車した。当初はマイクロバスを想定していたが、会社の小型セダンで、今日の目的地ハノイに比較的近い世界遺産のハロン湾に向かう。ハノイ国際空港から高速道路と一般道で約3時間半時間程かかるとガイドの説明があった。現地のガイドさんは女性の方で名前はゾンさんと言われた。またハノイ滞在中車の運転を担当する運転手の方は男性でツォンさんとガイドさんから紹介された。

ハノイ空港から延びる高速道路 高速道路から見えるベトナムの建物 3階建ての建物が多い

 初日は、ハノイ空港に着いたらその日のうち国道18号線で170Km離れたにハロン湾に向かうのだが、10月の終わりなのにこちらは暑い。車内は冷房を利かしているので温度が下がって快適である。ただ、ハロン湾に到着するまで3時間半近く何もガイドさんと話さ訳もいかなく、初めのベトナム旅行で南国に近いこの国の風景や人々の暮らしを車窓から見ながら、色々と世間話をしながら聞いたところによれば、ゾンさんは二人(8才と2才女の子)の母親で、ハノイ生まれで、このガイド資格を取るために日本にも行った事があると話してくれた。ゾンさんは人なつっこい感じの方で、我々の夫婦二人だけの外国旅行で少し心細いところもあったが、ベトナム国民の日常生活や、通過する場所の説明も時々入れて説明してくれるので、助かった。

一般道で見た市内の建物 道路沿いの休憩所 緑の3階建て建築物
ハノイ郊外の風景(1) ハノイ郊外の風景(2) 二人乗りのバイク

 ガイドさんが教えてくれたベトナム事情を少し紹介してみよう。
ベトナム通貨は単位がドン 10,000ドン=40円(邦貨) 20,000ドン=1$(この時は円高で80円)、ガソリン代は1L=1$(80円)であるが、ベトナム人にとっては高い。
 ドンは国内使用の為、ホテル等での支払いは$が有効である。
ベトナムは地震が少ないので、レンガを積み上げた間口が狭く奥行きが深い3階建物が良く目に付く。これは税金対策の意味もあるそうだ。日本の様に土地も自分のものとならず、政府から借地をする。したがって住宅のみの建物を立てる場合は4百万円程で新築できるそうだ。
 ベトナムは北部でお米は2毛作その他の時期には野菜などを作る。南部では3毛作が出来るそうだ。
最近、ベトナムへの観光客が増えているがその観光客の多い国の順番は1番=中国、2番=韓国、3番=フランス、4番=日本でアメリカ人も増えているとのことであった。

 車窓から見る限り、国道といえども余り整備がされていなくて、通常は2車線の対面交通である。道路標識を見ていると一般道路と高速道路の区別がつきにくい。一般道路は時速40Km制限、高速道路は70Kmである。高速道路の区分は道の路肩に建物絵に斜めの赤い斜線が入った丸い道路標識があるだけである。その高速道路の両側をバイク(2人乗り)が沢山走り抜ける。対面交通でも対向車の車は自分の乗っている車の車線と同じ車線を真正面衝突するように走ってきて、ギリギリになってようやく車線を変更する。こんな事は日本で考えられないで、我々夫婦も本当に怖かった。それと、国道を走っていて気付いたのだがこの国では、ほとんど信号が無いのである。ハノイ空港から目的地に着くまでに確か10ヶ所以下ではなかったかと思う。信号なんて信用しないで、交通安全は自己判断で守るという事か?

 ベトナム国内に入ると、まず気づくのがバイクの数が非常に多いことと、日本の様に一人で乗る事は余りなく、最低でも2人か多いときには3人から4人が乗ることになる。日本でも乗用車が普及する前にはやはりバイクが街中をたくさん走っていたことが昔あった。
そのバイクであるが、国内を走るバイクで多いメーカーは日本のホンダやヤマハ、その他ベトナム産バイクも多い。輸入車だと100%関税がかかって大変高くなるので、国内でパーツを組み立て10万〜15万円くらいで販売しているようだ。ベトナムに進出している自動車メーカーは日本のトヨタ、韓国の現代、電子機器メーカーは日本のキャノン、韓国のサムスンが目立つ。その他多くの日本や外国の企業が進出をしている。

 ハロン湾へ向かう途中で、トイレ休憩もあってみやげ品店に立ち寄る。ベトナム刺繍がきれいだ。このお店では身体障害者の女の子たちが刺繍をしていた。ベトナム刺繍品は安いいもので20$から高いもので500$する物もある。また、店内ではおみやげ品を見ていると店員の青年が近いづいてきて盛んに商品を勧める。この青年も日本語がかなり上手だ。聞けばベトナムの日本語学校で3年ほど学んだととの事。生活にかかわる事なので語学の勉強も真剣で日本語習得も早いのだろう。大理石の彫刻も数多くそろえて、日本人客もそれを購入して日本に別送しているのだという。

土産店で見た刺繍をする女性たち 障害者の女性も多く働く ベトナム女性は手先が器用だ
細か刺繍を施す女性 土産店の店内 店内には大理石の置物も

 今晩宿泊するNOVOTEL(ホテル)ではベトナム足マッサージもあるそうで、ボディマッサージ・トリートメント等は2000円〜5000円くらいで利用することが出来るそうだ。

 休憩が終わって、再びハロン湾に向かって車を走らせた。ドライバーのツォンさんはベトアム語しか話せない。物静かな好青年である。道路沿いに多くのベトナム露天商の店が見られた。果物の種類も多くてどれもおいしそうだ。ガイドのゾイさんの話によれば道端や水田の収穫を終えた畑の中で草を食んでいる茶色の牛を多く見かけたが、この牛は肉食用で農業用には水牛(黒い)を飼育しているそうだ。ハロン湾近くの山で石炭を採掘する工場が多く、町は活気がある、しかしその分道路はほこりが多く、車が走るとほこりが舞い立ち、そのため散水車が市内を走ってほこりのたつのを防いでいる。この10年のベトナクの発展は著しい。ハノイ〜ハロン湾を結ぶ鉄道を建設中だとか。

 ベトナム語の挨拶:
 @ こんにちは・・・・ シンチャオ Xin chao
 A どうもありがとう・・・・カムオンニュ Camon nhieu 通常はカムオンでいいようだ。
 B さようなら・・・・タンビエッ Tam biet

 たった3つのベトナム語を覚えるだけでも、観光客が現地の人と話す事は少ないのでベトナム語で挨拶するだけでも、相手の人から笑顔が見られる。

 ようやく6時過ぎに(現地時間)、ハロン湾の沿いにある一流ホテルのNOVOTEL HOTELに到着した。ガイドさんがホテルの受付でチェックイン手続きをしている間、ロビーで一休み。その間、ホテルから宿泊客にウエルカムドリンクサービスがあった。ガイドさんから部屋のキーを受け取って、今晩止まる部屋に向かう。客室は9階の部屋で室内に入った時は既に外は真っ暗で、遠くに明かりがチカチカ見える程度であった。

 あすは午前8時30分出発で、それまでにホテルのダイニングラウンジで朝食を済ませておかなければならない。明日のハロン湾クルーズは通常3時間のところを6時間コースを選んだために、ほぼ1日ハロン湾内をクルーズすることとなる。天気が良ければいいが。

(投稿:TOMY)