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  北京パラリンピック 応援記   №2

                           東部社会福祉協議会   佐久間 真由美

      


 
9月15日(月)
 朝7時 新潟の2選手のご家族と一緒にホテルを出発。残念ながら晃一さんのご両親は早くに応援に来られていたのですがお父様が移動中に怪我をされ、急遽日本に帰られていて、私は大変心細い思いを抱いたまま、選手村入り口で待機。選手の出迎えがないと中に入れないので彼らが迎えに来てくれるまで、銃を構える若い警察官の前で待たねばならならなかった。いよいよ迎えが来て名前を確認しチェックゲートをくぐる。100メートルほど先で、さらにチェック。パスポートと入場証明書を交換し、中に入っていきました。


                      
      

     
       ホテルからパラリンピック会場へと向う
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厳重警備の警察官   日本女性には甘い?  仲良く記念撮影におさまる



 そこら中に警備員もおり、厳重な警戒を目のあたりにしました。パブリックスペースと言ったらよいのか、参加国の国旗がはためく公園がある周辺には、プレハブのコンビニ、オリンピックグッズショップ、銀行、郵便局、中国物産店、諸々が建ち並んでいる。そのエリアをすぎると、またまたチェックゲートがあった。2選手のお母様方とは年頃も同じですぐにうち解け、ワイワイとしゃべりながら通り過ぎようとすると・・ストップ! 確認がいるという。

 選手団は打ち合わせ会議があるため我々を迎え入れると会議に戻っていたので、再度呼び出しということになった。各国のいろいろな障害を持つ選手が次々と写真付きの証明書を警備の人々に見せて通り過ぎていきます。日本人もいます。日本人選手に声かけて一緒に通ろうよ・・と声かけしていたらウィルチェアーラグビーの女性スタッフが自転車で駆けつけてきてくれました。無事第3ゲートを通りぬけて広い町中に。「残奥会」と大きく書かれたモニュメント、広い道とビル群、マンション群、木々に囲まれた美しい一角のマンションの窓から日の丸が。日本人選手団のマンションです。



         

             
  パラリンピック 選手村

     

               
万国旗はためく選手村の外観


 ウィルチェアーラグビーの選手団は11名、女性スタッフは5名、男性スタッフは4名が入居されている。私たちが見学したのは、スタッフ合わせて8名ほどが寝泊まりしている、芝生の庭に出られる一階の部屋。3寝室あり各部屋に2~3人のベッドが置いている。キッチンスペースには炊飯器を持ちこみ選手たちを支えています。
 リビングルームでは、選手たちがミーティング中なので早々に出てきました。昼食を選手村の食堂で頂きました。日本円で約1300円を支払い(もちろん選手団はただです)、好きな物を好きなだけ食べられるシステムでした。ひろ~いスペースにいろんな国の屋台が並び、果物、シリアル、飲み物も自由に選べます。彼方にはマクドナルドもありましたが、あれこれ選ぶのに疲れるので、手近な物ですませました。帰りにリンゴと水のボトルを頂いて・・。

     

  
 日の丸も見える日本選手団の宿舎  選手村の食堂       選手村の宿舎


 午後は北京科技大学体育館でドイツ戦、勝てば5位が可能な試合の応援です。試合開始1時間前から選手の応援団が集合。沖縄、大阪、東京、新潟各地から集まったご家族の若い方々は浴衣姿です。すでに皆さん顔見知りで、応援の方々が現れると歓声があがり交流が始まっている。前の試合が終わると応援団の入れ替え。

 我々は我先にと席取りをし、日本国旗を並べる。名前入りの国旗はだめだとニュースで聞いていたが、注意もされることなく次々と並べていく。私はというと何がなにやら、皆さんの動きを追うばかり。高橋さんや室橋さん(新潟の選手)のお母様の庇護の元、はちまきをし、日の丸の手旗を持ち試合を待つばかり。会場は中秋の祝日でもあり、大学の体育館ということもあり、ほぼ満員の状態で試合が始まりました。一進一退の試合は延長戦へと続きます。
 
 試合コートだけでなく応援席も白熱を帯びてきます。ニッポン!ジャーマニ!ニッポン!ジャーマニ!双方白熱のうち1点差でニッポンの負け!わぁ~!ぱちぱち。両チームの健闘に大喝采。応援席でも万国入り乱れて握手と拍手。グッズの交換。・・感動の応援でした。
 戦い終わって、応援団は帰るかと思いきや、体育館の外で選手のお迎え。これはニッポンだけのようでした。シャワーを浴び着替えをすませた選手団がご家族、応援団の前ににこやかに現れました。応援にこられた人々に応えているのです。試合の反省、ナイスプレイなど話され、和やかに選手と応援者がカメラに写り、交流をしていました。
 浴衣姿の女性軍は外国人や中国人に大人気でカメラのモデルに引っ張りだこでした。

     

       
試合会場の北京科技大学体育館    走り回る選手と日の丸応援団


 選手村の訪問や、午後の試合等で中国式マッサージの体験がこの後、金さんの調整努力でOKとなり、市内に繰り出す事となりました。なにやら込み入った町のビルの中にそのマッサージショップがある。4人がいっぺんに、一斉に足マッサージを受ける。ぽん!ぽん!はぁっ!はぁっ!二十歳前後の若者が一斉に我々の足をたたいたり、さすったりする。隣りの部屋からも同じような音が聞こえる。可笑しいやら楽しいやら・・。歩き疲れた足が蘇ってくる。暗くなってバスに乗りホテルへ帰るばかり。夕食はどうしようかな・・と思っていると、金さんからの差し入れがあった。北京市民の小腹がすいたときの食べ物だという。キャベツと韓国餅のような物を炒めただけの物でしたがこれが実においしいかったこと。選手村から持ち帰ったリンゴとで夕食の代わりに充分なりました。



 
         

             
試合を終えた選手 家族 応援の皆さん

          

        
選手との記念撮影  一番左が荻野晃一さん その後ろが筆者