信州・野沢温泉を訪ねて


 今年(平成19年)に入って、2回目の国内温泉めぐりである。6月13日~14日と1泊2日の信州・野沢温泉に行った。

 行程は、上野から長野新幹線(1.5H)で長野まで行き、駅前のレンターで小型車を借りて移動の手段を確保した。当初の旅行プランではローカル線(飯山線)で千曲川沿いにのんびり温泉巡りをしようと考えたが、いざ時刻表をチェックしてみると一日の本数も限られ、どうしても待ち時間がながくなる。また、温泉に入った翌日には少しは周辺の観光地にも足を伸ばしたいとの願いから、結局レンターカーを利用することとなった。

 最近の、レンターカーもすごく便利で、燃費もよく2日間信州をドライブ(約180Km)して、ガソリン満タン返しでもガソリン代は1800円程度である。ただ困ったのはカーナビの機能が上がって、直ぐには取り扱いが分からず目的地をセットするのに大変手間がかかったことである。目的地を声で発生すれば機械が自動的に認識して目的地を表示する機能が備わっているのだが、何度声を出して目的地を示してもその都度全く違う場所を表示するなど、便利なようで使い方が分からなければ、我々の様な年配者には、猫に小判である。メーカーももっと使いやすくシンプルなカーナビを開発してもらえまいか?

道の駅 栄村 美しい千曲川沿いの風景 新潟県との県境で見た古民家


 初日、長野駅から信州・野沢温泉に行く前に、レンターカーで千曲川沿いにドライブをした。丁度この間は梅雨に入る前日で、天候も快晴で気持ちの良いドライブが出来た。最初に新潟県境の栄村まで行き、道の駅で少し地元の産品を買い物、そこから少し足を伸ばして新潟県に入る十日町までまだかなり距離があったので途中で引き返し、野沢温泉に向かった。午後4時過ぎには野沢温泉に到着。温泉街に入ると細い道と急な坂が目立つ。何とか目的地の温泉旅館「さかや」を見つけてチェックイン。

山のふもとにある野沢温泉郷 外湯の「大湯」 足湯を楽しむ親子


 夕食までにまだ時間がタップリあるので、温泉地の中を散策した。この野沢温泉街は温泉旅館のほかに、十三の外湯があり、旅館に宿泊するとその外湯を無料で楽しめる「湯めぐり茶めぐり」パスポートが配布される。温泉街の中に、それぞれ趣のある木造の外湯があって観光客も外湯巡りを楽しむことができる。

 旅館「さかや」さんの直ぐ横にある外湯の「大湯」には、温泉客が結構入浴を楽しんでいた。またその大湯の前には足湯も楽しめる場所もあって、親子で足湯を楽しむ姿も見られた。大湯の前の急な坂道を登ると「湯沢神社」があり、そこかしばらく歩くと「麻釜(おがま)」がある。ここでは、地元の人が温泉を利用して温泉卵を作ったり、地元の野菜を湯がいたり結構利用されている。また、温泉街では日曜・祝祭日ごとに朝市が催されている。

麻釜(おがま) 地元の人が野菜を茹でる 「大湯」の奥が旅館「さかや」
外湯の「河原の湯」 外湯の「松葉の湯」 おぼろ月夜の館《斑山文庫》


 温泉街を散策するのも、結構たのしいものである。途中のみやげ物店に立ち寄り地元のみやげ物を見たり、それぞれ建物の趣が異なる外湯を訪ねたり、「十王堂の湯」近くに文部省唱歌『朧月夜』『春が来た』『春の小川』を作詞した国語・国文学者の高野辰之博士が、野沢温泉に没した記念に建築された、記念館「おぼろ月夜の館」《斑山文庫》がある。

旅館さかや さかやの殿方用大浴場「鷹の湯」 温泉街でよく見かける道祖神


 野沢温泉街の散策を終えて、旅館「さかや」さんに戻り、夕食までの間旅館の温泉を楽しむこととした。カタログによればこの「旅館さかや」は野沢温泉で17代続く老舗の湯宿。湯船にあふれる温泉は近くの泉源から自然湧き出しの源泉掛け流しで、心地よい温泉を楽しむことが出来た。泉質は単純硫黄泉で、あつ湯、ぬる湯、腰湯の3つに別れていて、自分にあった適温を選べる。
*関連情報:旅館「さかや」
住所:〒389-2502 長野県下高井郡野沢温泉村9329
電話番号:0269-85-3118
URL:http://www.ryokan-sakaya.co.jp
 夕食は、地元の野菜・川魚などを使った健康志向のヘルシーな和食。それでも結構種類が多くて最後は食べきらない程であった。心地よい温泉地での一夜を過ごした後、翌朝の朝食は「麦とろ」。これが結構いける!

 2日目は、午後から曇りのち雨の天気予報。野沢温泉から千曲川沿いに飯山駅方面に戻り、そこから斑尾高原を目指した。飯山駅そばの国道117号線からそれて、斑尾高原に向かう急勾配の上り坂の道路を一気にレンターカーで登り、途中眼下に飯山市街が見えた。平日であったため、高原付近には余り人影も見られず、何枚か記念写真を撮ってそのまま、野尻湖を目指した。斑尾高原から曲がりくねった坂を下って、野尻湖に向かう途中では山頂に少し残雪を残す妙高山や黒姫山が望めた。斑尾高原から30分程で初夏の野尻湖に着いた。

斑尾高原から飯山市街を望む 残雪を頂に残す妙高山 野尻湖から見える黒姫山


 この野尻湖には、6年ほど前の秋に訪れたことがある。紅葉時期の湖畔も美しいが、初夏の緑一色の野尻湖もまたすばらしい。湖畔の途中にあるPホテルにティーブレイクで立ち寄った。
 しばらく、湖畔のPホテルで休んだ後、長野市内に向かった。帰りは18号線ではなく牟礼(むれ)から旧北国街道沿いの県道37号線を選んで、長野市内を目指した。帰りの列車まで時間があったので、市内の東山魁夷美術館に立ち寄った。千葉県市川市にも同画伯の美術館もあるが、中国桂林の山水画の展示は圧巻であった。この美術館の近くにある善光寺にも2度目のお参りをして夕刻には長野駅に到着、帰路についた。長野からおよそ3時間で自宅までたどり着ける交通の便利さを改めて感じた次第である。

(投稿:TOMY)