景山公園の朝



民族舞踏を楽しむ人たち


 北京・故宮博物館の裏手にある景山公園は、500m四方くらいの小さな公園です。中央に高さ43mの小山があり、その周りに木々が生い茂る石段を昇り降りして身体を鍛錬する人たちもたくさんいます。しかも大声を張り上げながら登っていくのです。
 公園のゲートが開くのは早朝の6時。一番乗りは太極拳のグループです。少年宮前の広場に陣取って、ラジカセから流れるBGMに合わせてゆらゆらと始めます。右のイラストマップに紹介したのはごく一部でして、1グループ10名から30名くらいの集団が場所と時間を変えてあちこちに出没します。
 どのグループも自発的な集まりなので、誰でも参加は自由。自分に合うと思えば、毎朝同じ時間帯に、その場所に行きさえすれば、継続することができるのです。

社交ダンスを楽しむグループ

近くの胡同(昔の町並み)から通ってくる家族



 参加は無料ですし、ビギナーには親切に指導してくれます。複数のサークルを掛け持ちする人もいます。太極拳で軽くウォーミングアップして、民族舞踊にも加わり、午前中いっぱい公園で過ごしている人もいますし、8時近くになって直接職場に向かう人もいます。もちろん、お昼以降も利用者は多く、夕方になると会社帰りだとか学校帰りの若者やカップルもやってきます。この年頃の子たちは路上ディスコが人気のようです。

 僕が北京に滞在したのは、2003年4月21日から5月23日までの一か月。この時期世間ではSARS(新型肺炎)で大騒ぎでした。バスや地下鉄に乗ると、7割から8割の人たちがマスクで予防していましたし、王府井でさえ人出はパラパラでした。
 朝の公園の情景は、そんな騒ぎにも関係なく毎日がのどかに過ぎていきました。



 京劇の一場面を即興で演奏


               矢内 秀雄 


景山公園のイラストマップ

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